IBMは、Merge Healthcareを10億ドルで買収すると発表した。同社のコグニティブコンピューティングシステム「Watson」を用いた医療画像の解析などを実現させることを目指す。
Merge Healthcareのプラットフォームは、7500を超える健康管理サイトで、医療画像の処理に使われている。また、同社は臨床システムも取り扱っている。
今回の買収は、IBMにとって、ヘルスケアがWatsonの商用化のためにいかに重要な業界であるかを明確に示すものだ。Watsonはさまざまな業界で応用されているが、このところ最も盛んに活用が進んでいるのはヘルスケアの分野だ。
IBMは、Watsonの画像分析を、Merge Healthcareの医療管理プラットフォームと組み合わせたいと考えている。Watsonのクラウドアプリケーションとの一体化により、電子健康記録にさらなる知性化をもたらすことができるかもしれない。
Merge Healthcareの技術は、放射線医学、心臓学、整形外科、アイケアなど、ヘルスケアの専門分野で使われている。
画像をWatsonに読ませることで、読み取り可能なパターンが増え、放射線専門医が結果を解釈するのに役立つはずだ。IBMは、医療画像と、研究室における実験結果や遺伝子検査などのデータとの相互参照を実現したいと考えている。
今回の買収契約に基づき、IBMはMerge Healthcareに1株あたり7.13ドルを支払い、買収総額は10億ドルになる。買収手続きは2015年内に完了する見通しだ。IBMはこれまでに、PhytelとExplorysを買収し、これらを統合したWatson Health部門を2015年4月に創設している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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