「Ryotei」は、移動経路を記録し、あとから再生できるGPSトラッキングアプリだ。移動した経路を地図上でわかりやすく表示できるのはもちろんのこと、再生機能を用いることにより、移動の様子をアイコンを用いて地図上で動画で再現できることが大きな特徴だ。
使い方は簡単で、起動して記録開始ボタン(赤丸)を押すだけ。何時間にわたって記録するかを指定するダイアログが表示されるので、タップして選び、スタートをタップすると記録が開始される。記録できるのは1回につき最大24時間までで、日をまたいでの記録も可能だ。指定時間が過ぎると自動的に終了するほか、手動で終了させることも可能だ。
記録した移動経路のデータはホーム画面から参照できる。移動経路はAppleの標準マップ上に表示されるので、ビジュアル的にも分かりやすい。同種アプリの中には、記録をいったん終了させないと経路表示が行えないアプリもあるが、本アプリは記録しながら過去の移動経路はもちろん、当日それまでの移動経路も見られるなど、融通が利いた設計になっている。
また経路の色(ルートカラー)を、速度もしくは標高によって変更する機能も備える。例えば速度を指定すると、徒歩など低速での移動は紫、車やバスなどでの移動は緑やオレンジ、飛行機などでの移動は青といった具合にルート上に色が付くので、どの地点でしばらく滞在していたのか、またどこで交通機関を乗り換えたのかも把握できる。移動経路上の特定の場所をタップし、その地点の住所や緯度経度といった具体的な情報を得ることも可能だ。
さらに、本アプリならではの機能と言えるのが、再生機能だ。これはアイコンを用い、実際の移動の様子を地図上で再現できるというユニークな機能で、実速度のおよそ数十倍のスピードでアイコンが地図上を動き回り、その日どのようなルートおよび速度で移動していたかを動画で見せてくれる。移動経路の静止画情報だけでは分からない、どちらの方角を向いていたかも一発で把握できるほか、移動速度の移り変わりもしっかりと再現できる。最高速度や平均速度、移動距離なども表示可能だ。
500円の有料アプリだが、インターフェースのわかりやすさや記録精度の高さ、さらには再生機能など、価格以上の価値があるアプリだ。個人的には、特定の日付との比較機能だけでなく、短期旅行を見越して3日以上のデータを重ねて表示できる機能と、毎日決まった時刻に記録を開始/終了できる機能は欲しいと感じるが、現状でも実用性は高く、購入しての満足度は高い。記録データはKMZやGPXなどの標準フォーマットで書き出せるなど、汎用性の点でも優れている。
唯一のネックが、アプリの強制終了がやや多いこと。筆者環境(iPhone 5s/iOS 8.4)に限った問題かもしれないが、同時に起動している他のGPSアプリが問題なく動作している中、本アプリだけが強制終了していることがたびたびあり、きちんと動作しているか、2~3時間に1回は必ずチェックしなくてはいけないのが現状だ。この問題が改善され、かつ前述の複数日表示や自動記録開始の機能が追加されれば、文句なしにおすすめできるアプリだ。
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