ソフトバンクの最高経営責任者(CEO)でSprintの会長でもある孫正義氏は、Sprintの事業が好転するとの根拠を主張する中で、米国の無線ネットワークに対する不満を述べた。
Sprintが開催したアナリストらとの四半期ごとの電話会見で、孫氏は次のように述べた。「米国に来ると、このネットワークはとても自慢できるものではない。本当に、本当にひどい」
孫氏がこの主張を展開したのは今回が初めてではない。T-Mobile USとSprintの合併が承認されるべき理由を説明した1年前にも、同様の主張をしていた。合併というアイデアは、米国の規制当局が即座に握りつぶした。
孫氏は、批判の矛先を曖昧にせず、Verizon Wireless、AT&T、T-Mobileを直接批判した。同氏は、日本には最高のネットワークがあり、「それは事実だ」と述べた。孫氏は特に、膨大な額の費用をかけずに高速なネットワークを構築することに長けていた。それゆえ孫氏は、Sprintのネットワークは「すぐに大きく改善する」と考えており、SprintのCEOであるMarcelo Claure氏も、同社のネットワークは2年後には競合各社のネットワークと同等か、それよりはるかに良くなるだろうと自信を示している。
Verizonは、米国の無線サービスの状況を擁護した。
Verizonでネットワークサポート担当バイスプレジデントを務めるMike Haberman氏は、次のように述べた。「米国のネットワークは世界最高水準にあり、Verizonは膨大な数の米国人に最も高速で最も信頼性の高いネットワーク技術を展開するリーダーであり続けた。現在のようなネットワークを維持するには、ネットワークの構築における適切な専門知識と大規模な投資が求められる」
T-Mobile USのCEOであるJohn Legere氏は、いつものように一連のツイートで反応した。
「それでは、Sprintのネットワークは『本当に、本当に、本当にひどい』か、単にまったく悲惨だということか」と、Legere氏はツイートの中で述べた。
その後のツイートでLegere氏は、「@masason(孫氏のアカウント)、日本でのあなたのネットワークを自慢するのは簡単だ。日本(の国土面積)は14万6000平方マイルで、概ねカリフォルニア州の大きさにも満たない。#notthathard(それほど難しくはない、という意味のハッシュタグ)」と述べた。
AT&Tはコメントを控えた。
孫氏の主張は正しいのだろうか。無線データ調査会社Open Signalが実施した調査によると、日本の無線通信ネットワークは米国のものよりも確かに高い順位に着けてはいるが、それほど大きな差はない。ソフトバンクの平均ダウンロード速度が13Mbpsであるのに対し、Open Signalが米国の通信事業者の中で最速としたT-Mobileは10Mbpsだ。
しかしこの調査によると、日本と米国はいずれもトップ10にすら入っていない。平均速度ではスペインがトップで、フィンランドとデンマークがこれに続く。また日本は米国に速度で勝っているとしても、Recon Analyticsが実施した調査によると、音楽や動画のストリーミングなどの機能を利用する人の割合は低くなっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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