Mozillaの最高経営責任者(CEO)であるChris Beard氏が、「Windows 10」における既定プログラムの扱いに関して「MicrosoftのCEOへの公開書簡」をブログに投稿した。同氏は、「インプレース」アップグレードを行うとMicrosoftの「Edge」が既定のブラウザになることを理由として、「ユーザーの選択を奪うWindows 10へのアップグレード体験」について不満を述べている。
「われわれはこの問題について話し合おうと、貴社のチームに働きかけた。残念なことに、それは何の有意義な発展にもつながらなかったため、このような書簡の公開に至った」と、Beard氏は書いている。
Mozillaも承知しているように、Windows 10のユーザーは既定のプログラムを何でも自分の望むものに変更できる。だがBeard氏は、それが「いまや2倍以上のマウスクリック回数を必要」とし「複雑でナビゲートしにくく、迷子になりやすい」ことに苦言を呈している。
この書簡で同氏は「Microsoftが進歩とは逆の方向へ、これほど大きく踏み出したことに深く失望している」と述べ、独占禁止法違反で提訴する可能性を微かに匂わせている。Microsoftは、Mozillaの前身であるNetscapeが中心となって起こした独占禁止法違反の大きな裁判で敗訴し、10年近くにわたって米司法当局の厳重な監視下に置かれたことがある。そして米国での訴訟に続いてヨーロッパでも提訴された結果、ユーザーに既定のブラウザを選ばせる「バロットスクリーン(ブラウザ選択画面)」が課されることになった。
Microsoftは、米国時間5月20日付けのブログ投稿で、Windows 10では既定のプログラムの設定プロセスを変更するという計画を明らかにしていた。
Microsoftの「Firefox」への攻撃とも思えるこの変更は、実際にはすべての既定のプログラムに適用される。Microsoftは、ユーザーが既定のプログラムの変更を促すメッセージの嵐に襲われるのを防ぎ、従来のプログラムを「Windows Store」アプリと同様に動作させるためにこのような変更を行ったとしている。同社によると、ロックダウンされサンドボックス化されたWindows Storeアプリについては、「既定の変更を促すメッセージが出ることはない」という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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