Facebookは米国時間7月30日、現在開発中の太陽光発電で自動飛行する無人飛行機「Aquila」について、実運用時と同じサイズの機体を完成させたと発表した。
Aquilaは、全世界の人々にインターネット接続環境提供を目指す活動Internet.orgの一環として、Facebookが開発を進めている無人飛行機。成層圏を自動飛行させ、上空から無線インターネット接続サービスを提供したい考えだ。Aquilaの小型バージョンの機体は、2015年に入ってから試験飛行済み。
Aquilaのフルサイズバージョンは、翼幅(翼長)が約35mあるボーイング737と同程度の大きな飛行機だが、重量は数百分の一しかないという。ほぼ全体が翼になっており、その表面に貼り付けたソーラー発電パネルから得た電力でプロペラを回して成層圏を飛行する。
90日間にわたって無着陸で特定地域の上空を周回飛行し、半径50kmのエリアにインターネット接続環境を構築する。ただし、各ユーザーのスマートフォンなどとAquilaが直接接続するわけではない。地上に設ける小型基地局がAquilaとの通信を担い、ユーザー向けサービスはこの基地局からLTEや無線LAN(Wi-Fi)で提供する。
飛行高度は6~9万フィート(およそ1万8000~2万7000m)で、通常の航空路よりはるかに高く、気象変化の影響を受けずに済む。また、太陽の光を受けられる昼間は9万フィートという高々度で発電量を増やすと同時に位置エネルギーを高め、夜間は位置エネルギーを消費しつつ6万フィードまで下降することで電力の消費量を抑える工夫をする。
Aquilaが行う地上局とAquila同士の通信には、転送速度が数十Gbpsというレーザーを利用する計画だ。この新しいレーザー技術は、高速なデータ通信が行えるだけでなく、10マイル(約16km)離れた場所からサイコロ大の対象物を狙えるほど精度が高いという。
Facebookは、この機体を使った飛行試験を2015年中に開始する計画だという。
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