世界ではすでに36カ国で提供され、5万人の学生や100万人以上の患者などに利用されているWatson。300社を超えるアプリ開発のパートナー企業と、5万人のアプリ開発者が参加するエコシステムも構築しており、100以上の大学と提携してコグニティブ(認知)に関するカリキュラムも提供しているという。
日本でも2月にソフトバンクと提携し、Watsonを国内展開することが発表された。しかし、日本ならではの課題もある。それは漢字、ひらがな、カタカナを組み合わせた日本語は、アルファベットと比べて複雑な処理が求められることだ。そこで両社は現在、Watsonの日本語対応のために教育とトレーニングを進めている。
また、10月1日からエコシステムパートナーの正式募集を開始する。これに先駆けて、伊藤忠テクノソリューションズやFiNCなど、初期エコシステムパートナー9社を選定した。日本独自のWatsonアプリを開発するエコシステムを構築することで、日本市場での導入を促進していきたい考えだ。
PCやスマートフォンなど幅広いデバイスに対応するWatsonだが、特に相性が良いと考えられているのがロボット。ソフトバンクの感情認識ロボット「Pepper」に、Watsonを搭載することで回答精度が上がり、たとえば窓口や店頭で、顧客情報やそれぞれの市場に合わせた最適な受け答えができるようになる。
同日には、PepperとWatsonを組み合わせたヤマダ電機での接客デモの映像も紹介。Pepperが店内の顧客に近づき、顔認識によって年齢や性別を推定して接客プランを設定。希望の商品について説明し、在庫や配送について確認するというものだ。Pepperが店内のテレビと連携して、4K画質に切り替える操作デモなども披露された。ヤマダ電機では2015年の冬以降に一部店舗でテスト運用を開始する予定だ。
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