このところ、独占配信曲や追加機能が音楽ストリーミングサービスの差別化の手段になっているが、それをソーシャルネットワーキング風の体験に組み込んだのはAppleが初めてだ。アーティストは、望むならコメントに返信してファンと交流することができる。しかし、アーティストがファンと会話できる場所は、Apple Musicだけではない。多くのアーティストはTwitterやFacebook、Instagramにアップデートを投稿して、そこでコメントに返信している。Apple Musicは新しいサービスなので、アーティストが今後、Connectをどう利用していくのかはまだ分からないが、ファンがスパムや憎しみを込めたコメントで投稿を埋め尽くし、有意義な会話が埋もれてしまわないかと、筆者は懸念している。これは、有名人の他のソーシャルメディアフィードでよく起きる問題だ。
「iOS」の音声アシスタントSiriは、Apple Musicと効果的に連携する。Apple Musicアプリでは、Siriが音楽関連のさまざまなリクエストを、同アプリと連携して処理してくれる。昔のヒット曲を探したいときは、「私が生まれた日(具体的な日付を指定)にヒットしていた曲は?」(What song was popular on my birthday)や、「1988年のヒット曲を再生して」(Play the top songs from 1988)と尋ねてみよう。Siriは、筆者がリクエストしたあらゆる年の人気音楽を簡単に見つけて、再生してくれた(ただし、1960年までしかさかのぼれない)。該当する曲がApple Musicのストリーミングで利用できない場合は、そのことも教えてくれた。たとえば、1994年の1番のヒット曲であるAce of Baseの「The Sign」は、Apple Musicでストリーミングできない。
音楽を聴いているときに、「これと似た曲をもっとかけて」(Play more songs like this)とSiriに伝えると、おすすめの精度が高まり、「Up Next」リストの曲が変更される。ただし、このコマンドが機能するのは、自分で作成したプレイリストやラジオステーション、または自分のライブラリ内の楽曲を聴いているときだけだ。また、「この曲の次に『Uptown Funk』(または利用可能な他の曲)を再生して」(After this song, play 'Uptown Funk')と伝えて、その曲をUp Nextに追加することもできる。
SiriにはApple Musicと連携する機能が他にもいくつかある。その大半は、気に入った楽曲についてのフィードバックや、音楽ライブラリの整理を支援するものだ。これらの機能を利用できるのはSiriを搭載するデバイスだけで、具体的には、「iPhone 4s」以降、「iPad」第3世代以降、「iPad mini」、そして「iPod touch」第5世代となる。
すぐに見つからないこともあるが、プレイリストはApple Musicの重要な部分だ。ミュージックエディターチームが既に、考え抜かれた独創的なプレイリストを多数作成しており、思いつく限りのあらゆるジャンルやアクティビティ(バーベキュー、ランニング、ロマンチックな夜など)向けのプレイリストが用意されている。「Shazam」や「Rolling Stone」誌といったブランドもプレイリストの作成を依頼されており、それらのブランドをフォローして最新情報を入手することができる。
自分でプレイリストを作成することも可能だ。「My Music」タブにアクセスしてプレイリストをタップし、小さな「New」ボタンをタップするだけでいい。プレイリストに名前を付けて保存し、楽曲の追加を始めよう。Apple Musicと「Spotify」のプレイリストには、1つ大きな違いがある。Apple Musicのプレイリストは、アプリ外では友人としか共有できない。プレイリストを公開して、他のApple Music登録ユーザーが見つけられるようにする方法はない。対照的にSpotifyでは、ユーザー作成プレイリストの大規模なコミュニティーが形成されていて、誰もがプレイリストを探して保存することができる。筆者個人としては、Spotifyのプレイリストは同サービスの最高の要素の1つだと思う。そのため、Apple Musicで同じ体験が提供されないことは残念だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?