2日間でゲームを作り上げる社内向けイベント「SEGA Game Jam」が、7月18~19日に開催された。ほぼ初対面のメンバーとチームを組み、34時間という決められた時間の中で、ゲームをつくり上げる。参加は希望者のみ。すべての作業は業務外という条件からどんなゲームが生み出されたのか。発表の様子を取材した。
SEGA Game Jamは、2012年にスタートし、今回が7回目。3連休の2日間を利用し、開催されている。今回は、4月に実施されたセガグループ内の組織再編にあわせ、セガゲームスだけでなく、セガのグループ企業にまで対象を広げ、参加者を募集。そのため、過去最高となる47名が8チームに分かれ、SEGA Game Jamに取り組んだ。
プログラマー、デザイナー、ディレクターなど、それぞれの役割を担う5~6名が1チームとなる。参加する際、各自が使用機材、役割などを申請し、運営側がそれに基づいてチームを編成する。そのためチームメンバー同士はほぼ初対面。今回の参加者は20代の若手社員が目立ったが、ベテランの社員も参加していた。役割は経験に基づいて自己申請しているが、経験を問わない「チャレンジ枠」も設ける。
スケジュールは、1日目にテーマを決め、チーム分け、アルファ版発表などを実施し、2日目の正午にベータ版を発表。その後ブラッシュアップを重ね、19時から発表会となる。
今回のテーマは「回避」。6チームがゲームエンジン「Unity」、2チームが「Unreal Engine 4」を使用しゲームを作成したが、使用機材としてヘッドセット「Oculus Rift DK2」、視線入力装置「Tobii EyeX/Tobii グラス 2」が提供されており、これらを用いたゲーム開発も体験できる。1チームずつ、計2チームが2つの機材を使用。いずれのチームも「使いたい」と希望した人たちを中心とした編成になっていた。
2日間という限られた時間の中で、企画からスタートするSEGA Game Jamだが、難易度のパターンまで用意するチームがある一方、背景のテクスチャが間に合わなかったというチームもあり、進行度合いはそれぞれ。しかし発表会の時点では、すべてのチームがゲームを完成させ、出来上がったばかりのゲームのプレイを披露した。
今回披露された8チームのゲームは以下の通り。
回避をテーマに据えたことから、障害物を回避させ、進めるゲームが多数登場。その中でも2人でプレイできるものや、障害物の強弱を独自のグラフィックで表現するもの、凝ったモーションを採用するものなど、ゲームはどれもオリジナリティあふれる仕上がりになっていた。
発表会は、チームメンバーがプレイするゲームを見ながら、チームリーダーがゲーム内容を説明。その後、各自が担当や感想を話す形で進められた。
運営を担う、セガゲームス コンシューマ・オンラインカンパニー 開発技術部の粉川貴至氏は「前回の参加者は20人前後だったが、今回セガグループ企業のスタッフにまで声をかけたことで、過去最高となる人数が参加した。イントラネットで参加募集を呼びかけているほか、社内にポスターを掲出しており、社内ポスターを見てという人が意外と多い。何度か参加している人も多いが、今回は3対2で初参加者が多いという印象」とのこと。
社員のモチベーションアップを目的に開始されているSEGA Game Jamだが、過去最大の参加人数を集めるなど、手応えは出てきているとのこと。参加者からも「(参加して)とても良かった/良かった」「次回も参加したい」との声が多くあがっているという。粉川氏は「セガグループ全社に参加対象を広げることで、再編後のグループ内交流に一役買えたのではと思う。非業務のため組織の枠を超えたり、新しいデバイスを試したり、という部分にフットワーク軽く対応している。これからもセガグループが成長していくための隙間を埋める形で、運営にチャレンジし続けていきたい」と話す。
次回のSEGA Game Jamは、2015年冬に開催する予定だ。
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