ウェアラブル端末の代表格として注目を集めた「Google Glass」。大きな期待が寄せられながらも、1月に販売を終了し、事実上の“撤退”となった。苦戦を強いられた要因としては、1500ドルという高価な値段、盗撮などのプライバシー問題、現状では利用用途が少なかったことなどが挙げられている。
日本国内でもメーカー各社がさまざまなメガネ型端末を発表しているが、巷で増えている“ウェアラブルコンピュータ”ではなく、従来のメガネやサングラスに装着する小型ディスプレイという独自のアプローチで、ウェアラブル端末化を実現するのが「Vufine(ビューファイン)」だ。
ディスプレイなので使い方はいたってシンプル。VufineとスマートフォンやPC、ゲーム端末などをケーブルでつなぐだけだ。720pのHDMIビデオ出力に対応した端末であれば、何でも映像を映し出すことができる。画面には、目から約30cmの距離に4インチのディスプレイが浮いているように見える。Vufineでは機能をとことん絞ったことで、価格を他のスマートグラスの10分の1程度の149ドルまで抑えることに成功した。
では、どのような用途に活用できるのか。Vufine創業者の高坂悟郎氏によれば、アクションカメラ「GoPro」や、無人航空機「ドローン」などのユーザーからのニーズが高いという。たとえば、現状のドローンではスマートフォンやタブレットの画面に映像が映し出されるものが多いが、その映像を見ながら本体も確認していると、首を何度も上下しなければいけなくなる。
ここでVufineとスマートフォンを接続すれば、目の前に映し出される映像を見ながら本体が無事に飛行していることも確認できる。すでにVRヘッドセット「Oculus Rift」などでも同様のことは可能だが、149ドルという圧倒的な低価格で実現できることがVufineの強みと言えるだろう。このほかにも、レッスン動画を見ながら料理をする、飛行機などPCを広げづらい場所でセカンドモニタとして利用するなど、幅広いシーンでの活用を想定しているという。
気になるのは、Vufineとその他の端末をケーブルでつながなければいけないこと。高坂氏はワイヤレスモデルも検討したというが、今回は低価格であることを重視して見送ったと説明する。また、現状のBluetooth接続では遅延が発生し、リアルタイム性が求められるGoProやドローンなどとは相性が悪いことなどを考慮し、ケーブル接続を選んだという。ただし、ニーズがあれば将来的にワイヤレスモデルをラインアップの1つとして加える可能性はあるとした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス