(編集部注:米CNETによるAmazon「Kindle Paperwhite」のレビューを前編と後編に分けて翻訳して公開します。後編は7月15日に公開しています)
Amazonの電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite」の前モデルを気に入った人は、2015年モデルの方が旧機種より少し好きだと感じるだろう。
というのも、この第3世代の新モデルは、ハイエンドの「Kindle Voyage」と同じ高解像度E Inkディスプレイを搭載しているものの、それ以外のデザインは変わっておらず、内蔵フロントライトもそのままで、Wi-Fiモデルのスタート価格は2013年モデルと同じ119ドルだ。2015年モデルでは、それより高価な3Gモデルと広告なしのモデルも用意されている(ベースラインモデルには「キャンペーン情報」、すなわち広告が表示される)。
つまり、スクリーンが強化された点を除けば、全く同じ電子書籍リーダーということだ。
Voyageと同様、新型Paperwhiteは6インチの「Carta」E Ink HDタッチスクリーン(ピクセル密度は300ppi)を採用している。Amazonによると、ピクセル数は前世代のKindle Paperwhiteの2倍だという。また、E Inkスクリーン搭載リーダーの例に漏れず、電力効率(1回の充電で約1カ月使用可能)と直射日光下での見やすさが大きなセールスポイントとなっている。
解像度は上がったが、思ったほど大きな違いはないかもしれない。言い換えると、Paperwhiteの旧モデルを持っているなら、急いでアップグレードする必要はないということだ。とはいえ、画像と文字が以前より少しくっきりと表示されるようになり、特に小さなフォントサイズが見やすくなった。電子書籍リーダーという製品は既に成熟点に達しており、読書に使われるデバイスがスマートフォンやタブレットに移り変わっていくなか、もう大幅な進化は望めそうにない。このような製品カテゴリにおいて、スクリーンの鮮明さがわずかながらも増したことは、重要なアップグレードと言える。
その結果、Paperwhiteの2015年モデルでは、同じ価格で2013年モデルより多くの価値を得られるようになった。2013年モデルは、米CNETが総合的に見て最も価値が高いと評価した電子書籍リーダーだ。新しいPaperwhiteはその称号を引き継ぐことになるが、誤解のないように言っておくと、このカテゴリの王者はやはり、Paperwhiteより高価なVoyageであり、最高を求めるならVoyageを入手すべきだろう(Voyageは重量がPaperwhiteより若干軽く、周辺光に自動的に反応する内蔵ライトや、ページめくりボタンを搭載しており、Paperwhiteと明確な違いがある)。
Amazonによると、新モデルのバッテリ持続時間は変わっていないという。ワイヤレス接続をオフにし、ライトの明るさを10に設定した状態で1日に30分読書をする場合、1回の充電で最長6週間使用できる。旧モデルと同じ1GHzのプロセッサ、4Gバイトの内蔵メモリを搭載するが、RAMの容量は256Mバイトから512Mバイトに増強された。メモリ追加用の拡張スロットはないものの、4Gバイトあれば大量の電子書籍を保存することができる。
Voyageもスペックは同じだが、重量が軽い。VoyageのWi-Fiモデルが180g、Wi-Fi+3Gモデルが188gであるのに対し、Paperwhiteの2015年モデルはそれぞれ205gと217gだ。一方、ライトを内蔵せず、Wi-Fiモデルのみのエントリーレベル「Kindle」(79ドル)は191gとなっている。
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