ソフトやハード、アプリ、IoT製品を開発するスタートアップや個人事業主などを対象とした「Microsoft Innovation Award」の表彰式が6月25日に開かれた。今回で8回目の開催となる。当日は、あらかじめ優秀賞に選ばれていた7組と、それに準ずる“テクノロジーエッジ賞”に選ばれていた6組がサービスや製品をプレゼンした。
当日のプレゼンを通して最優秀賞を受賞したのは、テレビ視聴の質を解析するサービス「TVI-“Identifier”」を提供するTVISION INSIGHTS。テレビに設置したkinectを用いて、テレビに最適化した顔認識技術により視聴者の視聴体勢を取得する。テレビ“視聴率”よりも有効な指標を作ることで、テレビ広告の宣伝効果をより明確に測定できるようにしたいという。現在は日本と米国で同時展開中だ。
優秀賞を受賞した情報基盤開発は、紙に書かれた情報を自動入力、集計する「AltPaper」を提供している。紙面上から人間の筆跡のみを抽出する技術や、紙面がゆがんでいる場合でも文字を正確に読み取る技術を活用し、アンケート集計や顧客満足度調査などを対象として業務を請け負っている。12月に義務化されるストレスチェックへの対応も検討しているそうだ。
ウサギィは、画像判定サービス「画像解析できるマン」を提供。大量の画像を使った機械学習により、判定の精度を高めた。ウェブサイトでは「ごはんか、ごはんではないか(そのまま口に入れられるものか否か)」の基準で画像の判定を試せる。このような機能を持ったプログラムの開発を受け付けているそうだ。
Brand Pitは、画像認識型SNS分析ツール「BrandPit Analytics」を提供。ソーシャルメディアに投稿された画像をスキャンして、企業のブランドロゴや製品を自動的に認識し、「誰が、いつ、どこで、どのように貴社のブランドと触れあったのか」といった情報を抽出する。インフルエンサーの特定や競合を見つけ出すことなどができるという。なお現在、ユニリーバが中国市場の消費者調査に活用しているそうだ。
SPLYZAは、“残像”を見られる動画を自動生成するiOSアプリ「Clipstro」を提供。スポーツでのフォームを確認する際などに活用できる。編集は不要で、自動で残像のある動画が生成される。ゴルフのフォーム確認の特化版もあり、1秒間に120枚の画像を処理することで、スイングの軌道をチェックできるようにしている。
サイトセンシングは、広告や商品などの視聴者の属性や反応を自動集計する「FG(Face Grapher)-サイネージ」を提供。取得した顔データの“笑顔度合い”を判定できるほか、性別や“見た目年齢”を高い精度で推計できるという。来店客の属性調査や広告の効果測定に活用できるとしている。
フリックテックは、自動車が実際に走行したルートや車速などの情報をもとに渋滞情報を分析して表示するアプリ「渋滞ナビ」を提供する。ゼンリンの最新地図データを採用した専用地図に、詳細な案内看板や3Dイラストによる画像ガイド、音声ガイドなどを搭載。“過去1年から未来の1年まで”の渋滞情報の実績と予測を30分単位で確認できるというユニークな機能もある。
テクノロジーエッジ賞を受賞したのは、パフォーマンスに特化したスマートシューズ「Orphe」のノーニューフォークスタジオ、3DフィギュアのARプラットフォーム「Figmy」のCFlat、HTML5共創プラットフォーム「jThird」のjThree、手術後の表情をKinectで確認できる「Twinface」の開発チーム、表計算ソフトExcelのグラフ描画表現機能を拡張する「E2D3」のE2D3.orgだった、動画やウェブを高速化する「MistCDN/MistPrefetch」のMistTechnologies。なおMistTechnologiesは、当日会場を訪れた人による投票で選ぶオーディエンス賞も受賞した。
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