logo

アジアの短編映画に特化した動画サイト「Viddsee」--次世代クリエイターを支援

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 アジアの短編映画を集めた映像プラットフィーム「Viddsee(ヴィドシー)」が成長を続けている。このほど、シンガポール大手紙ザ・ビジネス・タイムスが伝えたところによると、Viddseeのユーザー数は、2014年の3万人から150万人に急伸したという。

 Viddseeは、アジアで制作された短編映画をキュレートし、オンラインで無料配信するサービス。2013年にシンガポールのエンジニアであるDerek Tan氏(28)とHo Jian氏(30)によって立ち上げられた。両氏はシンガポール国立大学に在学中、映画クラブに所属していて自身も制作者だったが、Viddseeを開発する中で、自分たちの役割はむしろ制作者をサポートすることだと感じたという。


「Viddsee」のウェブサイト

 現在、サイトで配信されている映像作品は1000本以上あり、そのジャンルは、ドキュメンタリーからアニメーション、ホラー映画までさまざま。シンガポール、マレーシア、インドネシア、そして日本をふくむアジア各国で制作された作品が集まるアジアの短編映画のショーケースとなっている。特徴的なのは、先述の通りアジアの作品に焦点を当てていることと、サイトが審査したコンテンツのみを配信していること。優れた若手作家の作品のみをキュレートすることで、彼らの作品がスポンサーになる企業などの目に触れ、作家活動をビジネスにつなげることを目的としている。

 同社はユーザー層の分析にも力を注いでいる。これまでの分析から、世界中にいる約150万人のユーザーのうち多くを占めるのは18~24歳のデジタルネイティブでウェブの動画に慣れ親しんでいる世代。また、ランチタイムと16時以降の帰宅時間に最もアクセスが多く、約60%がモバイルで視聴しているという。

 ザ・ビジネス・タイムス紙の取材に対して、Derek氏は「地域によって、視聴される作品のジャンルに違いがあることが分かってきた。たとえば、フィリピンでは、人間ドラマの作品が好まれる傾向がある。地域ごとに、今どんなジャンルの作品が多く視聴されているかを調査・分析し、ニーズの高い作品を提供することでViddseeのブランド価値を高めていきたい」と語った。


「Viddsee」のiPhoneアプリ

 2014年末には、iPhoneアプリの配信を開始した。アプリは無料でダウンロードできる。好きなコンテンツをお気に入りに登録できるほか、ユーザーの好みに合わせて毎週「今週のオススメ映像」をキュレートし、配信してくれる。

 今後の展望について、Ho Jian氏は同紙の取材に対して、「スマートフォンやデスクトップ上で視聴しやすいよう、常にユーザビリティの改良に努めている。こうしたサービス開発の戦略と並行して、オフラインでのマーケティング戦略も精力的に実施していく予定。たとえば、映画祭に参加したり、イベントを開催するなど、制作者や視聴者、映画ファンのコミュニティとのつながりを強めたい。インターネットが世界に普及した今、市場は世界中に広がっている。新しいメディア企業として肝心なのは、いかにグローバルプレイヤーになれるか。積極的に新しい市場を開拓していきたい」と語った。

 マーケティング戦略の一環でViddseeは2015年4月、Nikon Singaporeとパートナーシップを結んだ。Viddseeがサイト上で毎月開催する短編映画のアワーディングイベント「Viddsee Shortee Award」をNikon Singaporeがスポンサーするもの。受賞者には、賞品として1700シンガポールドル(約15万円)相当のNikon製カメラが贈られる。Viddseeは今後も、企業とのパートナーシップ戦略を進めていく考えだ。

 東南アジアでは、ショートフィルムに対する制作者の熱気が高まっている。アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)」が、2015年と2016年の2年にわたり、カンボジア、インドネシア、ラオスなど東南アジア11カ国の短編映画の作品上映と国際シンポジウムの開催を決定しているのは象徴的な出来事だ。

 東南アジアにおける急速なスマートフィンの普及や、公共の無料Wi-Fiスポットの整備といった市場環境の変化も、Viddseeのユーザー拡大を後押しするかもしれない。将来的には、アジアの若年層が生み出す文化を世界へ発信するサービスとなり得るViddseeに今後も注目したい。

-PR-企画特集