人事サービスなどを手掛けるレジェンダのシンガポール法人であるLeggendaは7月6日、クラウド型採用管理システム「ACCUUM(アキューム)」を日本市場で正式に発売した。導入企業は自社ウェブサイトに採用ページを作成したり、求人広告や人材紹介会社などからの候補者を一元管理したりできる。
特徴の1つは、リアルタイムレポート機能を用いて、採用プロセスの中で取得できる候補者行動データなどの分析を通して採用活動を設計する「データドリブンリクルーティング」ができること。たとえば、面接ステップごとの合格率や人材紹介会社のパフォーマンスの比較などにより、リードタイムを短縮するために改善が必要なプロセスを可視化できるという。
管理画面は、人事担当者の使いやすさを考えて設計したというユーザーインターフェース(UI)であり、基本的に個々の顧客に合わせたカスタマイズはしない。Leggenda代表取締役社長の鈴木仁志氏によれば、「日本で開発する場合、意識していてもUIデザインが日本寄りの仕上がりになってしまう」ため、あえてシンガポールで開発した。今後、採用経験の長い鈴木氏の知見を生かしながら、レポート機能の強化やUIの改善などに加え、他社求人サービスなどとの連携を進めていく計画だという。
料金プランは、一部機能が制限される「ベーシック」、全機能が使えてユーザー数が無制限の「プレミアム」の2種類の、それぞれ月額/年額から選べる。無料版もある。導入目標数は、2015年中に100社。「当初はIT系企業が多くなると思うが、業界を問わず、特に社員数が50~250人規模の企業に導入してもらいたい」と鈴木氏は話す。
鈴木氏によれば、新たな求人サービスが続々と生まれている一方で、採用活動に求人サービスを複数利用する企業が導入する採用管理システムの多くは、新卒採用や大規模な中途採用をする大企業をターゲットとしたものであり、効率改善などを目的にプロセスを重視して設計されているという。そのため、急成長するベンチャー企業や中小企業のニーズと合わないことがあるそうだ。
同社は2014年11月、シンガポールでACCUUMの英語版を発売した。現在、DeNA Singaporeや塚田農場シンガポールのほか、アジア各国で数十社が利用しているという。また、今回の日本での販売に先駆け、サイバーエージェント子会社のCyberZなど日本国内の数社に対して日本語版を導入したそうだ。
「採用や人事の担当者は、テクノロジに強い人と弱い人が二極化している。ACCUUMでは機能面に加え、見た目のよさ、操作が簡単そうに見えるかなども重視した。データを駆使して採用を管理したり、戦略を立てるのが苦手だった担当者でも、簡単に使えて、採用が好きになるような仕組みを作りたい」(鈴木氏)。
レジェンダグループでは、人事や採用のコンサルティングとアウトソーシングを手掛けるレジェンダ・コーポレーションがクラウド型人事システム「EHR」で採用モジュールを提供している。今後も引き続き、新卒採用や大規模な中途採用を実施する企業、また採用アウトソーシングサービスが必要な企業などにはEHRを提供する。その一方で、採用システム単体販売となるACCUUMで新たな顧客層を開拓し、グループとしてより大きなマーケットシェアを獲得したい考えだ。
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