Future of Life Institute(FLI)は米国時間7月1日、37の研究グループに総額700万ドル近くの資金を提供したと発表した。各グループは、人工知能(AI)の将来的な進化に伴うさまざまなテーマの研究に努める予定だ。この助成金には、著名なテクノロジ起業家であるElon Musk氏がAI関連のリスクを研究する名目で1月にFLIに寄付した1000万ドルの一部が含まれている。
一部の業界ウォッチャーからは、AIがどこまで進化するのか、またその潜在的な危険性について懸念する声が高まっている。こうした人々は、AIが賢くなり過ぎないうちに制御することが極めて重要だと警告している。
FLIに1000万ドルを寄付することで、Musk氏はますます賢くなっていくマシンについて警鐘を鳴らし、その影響を監視する重要な役割を自ら買って出ると表明した。FLIは、AIの未来に関心を持ち、「コンピューターサイエンス、法律、政策、経済など、今後のAIの発展に関係する分野で生じる多数の疑問に答えてくれる」研究チームを発掘することを目的とし、助成金プログラムを立ち上げた。FLIはAIの進歩を止めるよう企業に訴えるまでには至っていないが、あらゆる取り組みは「命を守る」ためのものであるべきだと主張してきた。
とはいえ、助成金を受けるグループは、必ずしもAIを叩くことを期待されているわけではない。
実際その多くは、AIが人間性にどう影響するかなど、AIについて理解を深めることに注力している。20万ドルを獲得したデューク大学の研究プロジェクトは倫理とAIについて研究しており、ライス大学は6万9000ドルを、将来AIが仕事に及ぼす影響について研究することに費やす予定だ。
この支援プログラムで授与された最大の金額は、Strategic Research Center of Artificial Intelligenceの設立を提案したオックスフォード大学への150万ドルだ。多くの研究プロジェクトが各分野での取り組みに対し、10万ドル単位の金額を獲得した。
プロジェクトの進行とともに、今後3年間で計700万ドルの賞金が提供される。プロジェクトの大半は9月に開始する予定だ。Future of Life Instituteは、最終的な報告書が提供される時期については明らかにしていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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