女性向けファッション関連アプリ「XZ(クローゼット)」を提供するSTANDING OVATIONは7月8日、gumiベンチャーズ、DBJキャピタル、アイスタイルキャピタル、エンジェル投資家を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達額は総額1億4000万円。シード期のSkyland Venturesに続く2度目の増資となる。
調達資金は、XZの開発/運営体制の強化に充てる。同社代表取締役CEOの荻田芳宏氏によれば、ディレクターやプランナー、UI/UXの知識があるデザイナーなどを新たに採用する予定という。
XZは、アップロードした自分の手持ちのファッションアイテムの写真と、他ユーザーのアイテムの写真を自由に組み合わせて、さまざまなコーディネートを試せるサービス。アイテムを登録しておくだけでも、他ユーザーから“着回しアイデア”をフィードバックしてもらえる。ターゲットは「24.5歳の女性」に据えている。
累計ダウンロード数は約5万2000件。サービスの中心にある着回しアイデア数は5万5000件。2月時点で13万5000点だったファッションアイテムの登録数は2倍の27万点に増えた。1日あたりのアイテム登録数は「多くて2000点」で、休日の夜に登録されることが多いという。なお、アイテムを1つ以上登録しているのは全ユーザーの27%だそうだ。
新機能の開発や他社との協業に向けた取り組みを進めている。8月中旬をめどにアプリのデザインを刷新し、カテゴリのタブを取り入れて着回しアイデアを見つけやすくする。また、アイデアをほしい人と提案したい人をつなげるQ&A機能や、人気のアイデアを目立たせるランキング機能などを実装する。
さらに、着回しアイデアを紹介する記事コンテンツを配信する。記事はファッションライターが監修し、量より質を重視して更新する方針。広告商品として、ネイティブアドの提供も始める予定という。
9月頃にはスマートフォンのウェブブラウザ版を展開する。「アプリ単体の集客は難しいと実感した」(荻田氏)ため、プロモーション施策として、前述の新機能を含むアプリのコンテンツをもとに、登録不要で誰でも閲覧できるサイトを立ち上げる。アイテムの登録などはアプリからのみできる仕組みとし、ユーザー数の増加を狙う。
「今のアプリは我々の中では50点、次のアップデートで70点くらいにはなる。年内には80点に持っていきたい」(荻田氏)。
寺田倉庫と連携したサービスも今後始める。ユーザーがXZに登録していないアイテムを寺田倉庫が預かり、写真の撮影と登録を代行する。月額数百円ほどで利用できるようにする予定だ。
また、オムニチャネル化を目指すアパレル店舗に向けたソリューションを提供すべく、ヒアリング調査を進めている。導入店舗で商品を買ったXZユーザーのアプリに、購入したアイテムが自動で登録されるような仕組みを作る。店舗のアカウントを新設し、そこに店員のアカウントを紐付けて、XZで店員とユーザーとがコミュニケーションをとれるようにしたいという。
実店舗の売り上げが下がる中で、他店と差別化するには「接客」が重要だと荻田氏を話す。現場のオペレーション上の負荷などの問題が見えており、今はその解決策を考えている。「どの店で買っても、XZにアイテムが入るような世界を作りたい」(荻田氏)。
着回しアイデアを発見できるXZ。今後、「そのコーディネートが自分に似合うのか」までをわかるようにするため、自分の写真にXZに登録された服を当てて外見をチェックできる「バーチャル試着」機能を実装する計画もある。中長期的な取り組みであり、スケジュールは未定。オプション機能として有料にすることも検討しているという。
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