「Apple Music」でTaylor Swiftさんの大ヒットアルバムが配信されることになった。
Swiftさんは米国時間6月25日、「『1989』をApple Musicに喜んで提供することにした」というメッセージをTwitterに投稿した。「1989」は2014年の大ヒットアルバムで、Swiftさんは20日のブログ投稿でApple Musicから同アルバムを引き上げるとしていた。
このツイートで、世界で最も高い時価総額を誇るAppleと世界で最も高い人気を誇るポップスターの1人であるSwiftさんの間で、目まぐるしく繰り広げられた騒動が収束した。音楽業界の超大物である両者間のやり取りがソーシャルメディア上で展開されたことで、音楽ストリーミングサービスにおけるアーティストらの扱いに関する公の議論が再燃することとなった。Swiftさんなどのミュージシャンは、ストリーミングサービスはアーティストらに正当な対価を支払っていないとして不満を訴えている。
Swiftさんは20日、まもなく提供開始されるサブスクリプションサービスApple Musicに「1989」を提供しないと警告した。彼女はロイヤリティーの抜け穴、つまり、3カ月の無料試用期間はAppleがアーティストにロイヤルティをまったく支払わないことをその理由に挙げた。それを受けて同日、Appleのソフトウェアおよびサービスを統括するEddy Cue氏は、同社がその意見を完全に受け入れ、試用期間にストリーミングされた各楽曲についてすべてのアーティストに対してロイヤリティーを支払うことにするとツイートした。
Appleは同社初となる音楽サブスクリプションサービスApple Musicを、29日に提供開始する予定だ。「iTunes Store」によって1曲99セントでのダウンロードを浸透させ、デジタル時代における音楽を再定義した同社は、長い間サブスクリプションサービスを避け、そのためにSpotifyなどの新興企業の台頭を許すこととなった。しかし、音楽の購入に関する新しいモデルが急速に普及したことから、音楽のロイヤリティーの問題がさらに複雑になっている。サブスクリプションの規模がさらに拡大すれば、ストリーミングは音楽業界に恩恵をもたらし得るが、現時点では、正当な対価が支払われないことにSwiftさんなどのアーティストらが懸念を示している。
Swiftさんは別のツイートで「自分のアルバムをストリーミングしてもいいと感じたのは今回が本当に初めて」と記すとともに、自身の楽曲をAppleだけに提供することにしたわけではないともした。「考え直してくれてありがとう、Apple」(Swiftさん)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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