ドローンは、これまで人が行っていた危険な作業を代替できるということに加え、それらのコストを大幅に下げられることがその大きな魅力だ。またカメラ機器やセンサ機器の小型化が進みドローンに搭載できるようなったことで、用途が増えていることも市場関係者の期待を高めている。
ドローン利用が増えるとみられる主な産業は、農業、石油・ガスのパイプライン敷設、採掘、インフラ、セキュリティなどだ。農業では、バイオマス検査、窒素投入の最適化、病気の早期発見などに利用されている。また、センサを搭載したドローンを飛ばすことで、地形を3Dマッピング化し、そのデータを建設や工事に活用するなどのサービスも提供されている。
空撮におけるドローン利用も増えると予想される。シンガポールでは、有人ヘリコプターで空撮をする場合、ヘリコプターを借りるだけで1時間6000シンガポールドル=Sドル(約54万円)かかる。これに、撮影・編集を加えると恐らく1万Sドルを超える費用がかかると予想される。一方で、ドローンに一眼レフカメラなどを搭載し、空撮した場合、費用を半分以下に抑えることが可能だ。
このように、さまざまなシーンでドローンの利用が増えると見込まれるが、ドローンの操縦やエンジニアリングに詳しい人材が不足しているのが課題となっていることも指摘する必要がある。筆者もDJIの「Phantom3」のほか数台のドローンを持っているが、どのドローンを操縦するにしても、上手く操縦するためにはある程度の練習が必要であることに気付かされる。
また、撮影をする場合は、写真・動画撮影の知識に加え、ポストプロダクションの知識も要求される。さらには、ドローンに搭載されるモーター、フライトコントローラーなどに関するエンジニアリングの知識も必要だが、これらの知識を持ち合わせる人材はかなり少ないのが現状だ。
日本が世界で急速に拡大するドローン市場の波に乗り遅れないためには、ドローンの可能性を知るとともに、開発促進や人材育成の戦略立案・実行を行っていく必要があるのかもしれない。
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