そのほか「シャープはどうやって生きていくのかが伝わってこない」という質問内容についてはこう答えた。
「新たな5つのカンパニーには、それぞれに特徴がある。液晶技術は、ディスプレイとしての用途だけでなく、高感度のレントゲンや採光シートに応用できるなど、まだまだ進化させていけるものだと確信している。エレクトロニクス分野では、テレビと白物家電、通信の融合を推進するが、シャープはいい地位にある。AQUOSはトップシェアであり、通信(スマホ)においても、海外のメーカー(Apple)を除けば、国内トップである。白物家電では、プラズマクラスターなどの強い技術がある。全世界を包囲する戦略ではなく、日本とアジアに集中する。シャープの強みを発揮した製品を矢継ぎ早に出したい。それに向けて全力でやる。期待してほしい」
さらに高橋氏は「社長に就任した2年前に創業者である早川徳次が打ち出したシャープの原点に戻りたいと考えていた。3年前からの経営危機を呼んだのは経営信条、経営理念など早川徳次が残してくれたものを忘れていたからだと考えている。この原点に立ち返って、世の中になくてはならない会社になる。役員一同、社員一同、それを肝に銘じていきたい」とした。
新任取締役候補をはじめとする取締役候補者の多くが所有するシャープ株がゼロであることについて高橋氏は「3年前に業績が悪化して以降、インサイダー取引に抵触する関係上、現時点では全取締役がシャープ株式を売買できない状況にある。役員持ち株会でも増減ができない。新たに取締役に就任したものは株式を取得できない状況にある」と説明した。
液晶の生産体制に関する質問には、執行役員の和田正一氏が回答。「亀山第2工場では、第8世代のために中小型液晶の歩留まりが悪いという指摘もあるが、長年のノウハウがあり、5型の液晶パネルでも、第4世代の液晶生産施設と同じ歩留まり率となっている。液晶のインセル化については、今月から三重第3工場で量産を開始し、亀山工場でも年内には本格的に稼働させる予定である。他社に遅れを取らないように展開していく」と述べた。
第1号議案の定款一部変更の件、第2号議案の第三者割当による募集株式(A種類株式およびB種類株式)発行の件、第3号議案の資本金および資本準備金額の減少の件、第4号議案の剰余金の処分の件、第5号議案の取締役13人選任の件、第6号議案の監査役3人選任の件はすべて可決。第3号議案の可決により、同社の資本金は6月30日付けで5億円となる。
株主総会での質問数は延べ23人。午後1時23分に閉会した。昨年の2時間23分を大幅に超える3時間23分は過去最長時間となった。
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