シャープは、再成長ステージとして取り組む2014年度の営業戦略について説明会を開催した。コンシューマ市場からエネルギーソリューションまで、今後の取り組みについて話した。
「以前のシャープは、お客様のニーズを汲み取って商品を開発し、市場を開拓していた。それが『目のつけどころが、シャープでしょ』というコピーに結ぶついていた。そうした商品開発に立ち戻った」――シャープの執行役員国内営業本部長である宮永良一氏は、ここ最近の商品開発をこう分析する。
ここ最近の新製品には「AQUOS 4K」「お茶プレッソ」「プラズマクラスターイオン発生機」と、シャープならではのモデルが並ぶ。「お茶プレッソは、お客様のニーズを現場から吸い上げて商品化した。モノが売れない時代と言われるが、お客様目線の商品が出てくればニーズを掘り起こすことはできる」(宮永氏)と自信を見せる。
新たに取り組むのは「家電で生活が変わる」暮らしの提案だ。なかでも、お茶プレッソ、コードレスサイクロン、プラズマクラスターイオン発生機はユーザーの自宅に持ち込むことで、商品を提案する「顧客層訪問活動」をサポートする“チャレンジ商品”と位置づける。
「文化を超えることで、第2ステージに入りたい。お茶プレッソは日本の食文化の見直し、コードレスサイクロン掃除機は、コンセントに抜き差しするという手間があった掃除の文化を変えるもの」(シャープエレクトロニクスマーケティングの代表取締役社長である細尾忠弘氏)という。
加えてプラズマクラスターイオン発生機は、天井設置型の「IG-GTA20」を新製品として投入する。「トイレは匂いなど気になる部分だが、コンセントの数が限られており、新たな電気製品を設置しにくい場所。IG-GTA20なら照明器具としても使えるため、新たな電源がいらずプラズマクラスターにより匂いやカビを抑制できる。こうした新しい商品を出すことによって、お客様を訪問する頻度を上げてほしい」(細尾氏)とした。
こうした訪問活動をサポートするとともに、展示会や個展といった取り組みにも積極的だ。合同展示会は全国で50回、個展は全国で200回を実施しているという。
「合同展示会など、お客様との接点活動は数多く取り組んでいる。これはコンシューマ製品のみならず、エネルギーソリューションも同様。こういった場で意見を吸い上げて、事業部にフィードバックする。以前取り組んでいた商品開発の循環がまた戻ってきたかなと思っている」(宮永氏)。
エネルギーソリューション事業では、合同展示会において「クラウド蓄電池」積極的に打ち出している。クラウド蓄電池は、太陽電池モジュールで発電した電気を蓄えるもの。シャープでは太陽電池モジュールから蓄電池まで一貫して生産できることが強みだ。
しかし、エネルギーソリューションはいずれも店頭での説明が必要となる商品。そこで展示会などで、お茶プレッソのお茶を提供しながら、クラウド蓄電池の商品説明をする蓄電池体験コーナーなどを設置し、商品の拡販に取り組んでいる。「蓄電池はすでに太陽電池を購入済みのお客様が対象。自宅で発電し、貯めて使うことができる。電力の自給自足を図れる商品として強い反応を頂いている」(シャープエネルギーソリューション代表取締役社長の真鍋政尚氏)とのことだ。
BtoC、エネルギーソリューションの取り組みに加え、デジタルサイネージ、オフィスソリューションといったBtoBの強化にも取り組む。「BtoC、BtoB、エネルギーソリューションの3つの均衡をとりながら取り組んでいく。バランス感を持つことだ大事」(宮永氏)と、今後の国内営業について話した。
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