シャープは6月18日、2015年における国内営業の取り組みについて説明会を開催した。BtoB、BtoC、エネルギーの従来事業に加え、ロボティクス、ヘルスケア事業などの新規事業を加えた、4軸でトータルプロモーションを展開する。
シャープの執行役員国内営業本部長の宮永良一氏は「国内営業研修チームを発足し、専門性の高い営業人員を育成するほか、購入者目線で提案のできる女性営業社員を増強する」とBtoC市場の営業戦略を話す。
「商品購入時の決定権を持つのは女性。その女性と同じ目線で商品提案ができる女性営業職は、戦略として有効だと考えている。例えば『お茶プレッソ』は商品企画からプロモーションまで一貫して女性社員が担当し、多大な成果を上げた。モデルハウスの展示場などで実施しているソーラー発電の営業も、女性社員が家族連れのお客様に提案することで成約率がアップしている」と現状を話す。
商品としては、「発売前ながらすでに反響が出ている」(宮永氏)という「AQUOS 4K NEXT LC-80XU30」をはじめ、新たな市場活性化を目指す、天井設置型イオン発生機「IG-GTA20」、フローズンジュースプレッソ「EJ-CF10A」、サイクロンふとん掃除機「EC-HX100」、コードレスサイクロン掃除機「EC-SX310/210」などの白物家電、女性にとっての使いやすさを追求したメガフリーザー冷蔵庫「SJ-GT50A」、プラズマクラスターエアコン「E-SX」シリーズ、縦型洗濯乾燥機「ES-GX850」、「ヘルシオ AX-XP200」などをラインアップしている。
しかしコンシューマ市場を取り巻く環境は厳しい。「エコポイント、アナログ停波、消費税増税などによる特需と、それを受けた反動の繰り返し」と、シャープエレクトロニクスマーケティング専務取締役の居石勘資氏は、昨今の市場を分析する。
こうした需要動向に対し、シャープでは家電の進化の気付きにより潜在需要の掘り起こしを図る。『楽しい生活』『健康な生活』『快適な生活』の3つのライフスタイルを提案。楽しい生活では「テレビを楽しむ」、健康な生活では「おいしさを訴求できる健康調理」、快適な生活では「時短や節約につながる白物家電」などを訴求する。
「テレビは、地上アナログ停波前に液晶テレビを購入されたお客様の買い替え需要にあたる時期だが、買い替えユーザーの方はまず店頭には来ない。壊れるまで同じテレビを使う傾向にある。そうしたユーザーの方の背中を押す意味を込めてテレビではキャッシュバックキャンペーンも実施する。あわせてサイズのグレードアップができるような提案をしたい」(居石氏)とテレビ買い替えへの施策を話す。
「お客様は洗濯機なら水道代を減らしたい、冷蔵庫ならまとめ買いで買い物の手間を減らしたいのが本音。そうしたお客様目線を追求し、商品を提案していきたい」と居石氏は話す。
こうしたユーザー目線に立った提案はエネルギーソリューションも同様だ。「発電した電気は自宅で使い光熱費を削減したい、というニーズに向け、クラウド蓄電池+クラウドHEMSのご提案、既築戸建て住宅の約半数以上が寄棟/複合屋根という市場分析を受け、寄棟戦略と住宅用の取り組みを強化する」(シャープエネルギーソリューション社長の眞鍋政尚氏)と戦略を打ち出す。
説明会場で繰り返し出てきたキーワードは「お客様目線」。「お客様目線を追求したシャープらしい商品をそろえた。『技術のシャープ』『目の付けどころがシャープなシャープ』に、『人にいちばん近いシャープ』を新たに加え、オールシャープで業績と信頼の回復に貢献したい」(宮永氏)と今後の方向性を示した。
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