米航空宇宙局(NASA)は、大学や研究機関などで開発されたCubeSat(キューブサット)やnanosatellite(ナノサテライト)などと呼ばれる小型人工衛星の打ち上げを有償で請け負う取り組み「Venture Class Launch Services(VCLS)」を開始した。現在、打ち上げ希望プロジェクトを募集中とのこと。
CubeSatは従来の人工衛星と異なり、一般に入手可能な電子機器や部品を組み合わせて製造されるタイプの小型人工衛星。主に、大学などが研究や教育の一環として開発するものだ。
すでに多くのCubeSatが大型人工衛星の打ち上げ時に“相乗り”する形で同じロケットに搭載され、地球の周回軌道上に投入されている。ただし、打ち上げが相乗り方式であるため、CubeSatの開発スケジュールや打ち上げ時期は、NASAやその他機関のプロジェクトに左右されてしまう。
今回のVCLSでは、NASAとしては例外的に小さなロケットを使用し、CubeSatや各種実験機器の地球周回軌道投入を請け負う。打ち上げ費用は固定されており、1回の打ち上げで質量132ポンド(約60kg)、もしくは2回の打ち上げでそれぞれ66ポンド(約30kg)を軌道投入できる。
打ち上げの場所と時期は今後決定するが、遅くとも2018年4月15日までには実施する計画だという。
なお、NASAもCubeSatの実用化に興味を示しており、次期火星探査機「InSight」のプロジェクトにCubeSat「Mars Cube One(MarCO)」を試験投入する予定。地球の軌道から離脱して惑星間飛行をするCubeSatは、MarCOが初めての例となる。
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