「Firefox」ブラウザおよび「Firefox OS」で知られるMozillaで両製品の中核となる技術を担ってきた人物が離職した。
Mozillaの最高技術責任者(CTO)だったAndreas Gal氏はおよそ7年在籍した同社を離れ、今後は「モノのインターネット(Internet of Things:IoT)」に向けてコンピュータ技術を提供する企業を新しく立ち上げるという。IoTとは、交通信号からドアの施錠まで、あらゆるものをインターネットに接続しようとする包括的な考え方だ。
Gal氏はウェブプログラミングの中核となるJavaScriptの専門家で、Firefox OSに関する取り組みを共同で立ち上げた人物だ。同氏とともに新会社を立ち上げる2人の共同創設者も将来性のある従業員だった。Gal氏がMozillaに加わったのは、Googleの「Chrome」などのブラウザに対する競争力を維持するための重要なプロジェクトにおいてだった。
Gal氏の離職はFirefox OSでMozillaが直面している大きな変化の一端を示すものだ。Gal氏が新しい市場に移る一方で、競争面での新たな脅威も芽生えている。Mozillaの前社長Li Gong氏は「Gone Fishing」というニックネームで呼ばれる企業を立ち上げ、Firefox OSと同様にウェブベースのアプローチを基本とするモバイルOSを構築しようとしていることが分かった。Gong氏は2014年に社長に就任する以前はFirefox OS事業を率いていたが、同氏のLinkedInプロフィールによると2015年4月にMozillaを離れている。
一方、Gal氏の新会社はFirefox OSに隣接する市場で活動するようだ。
Gal氏は取材に対し、同社はスマートフォン分野のハードウェアおよび下層レベルのソフトウェアをIoTの基盤となるレイヤに転用すると語り、「われわれにはテクノロジスタックを構築する豊富な経験があると感じている」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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