タカラトミーは6月4日、NTTドコモと共同開発したグラウド型おはなしロボット「OHaNAS」(オハナス)を10月1日に発売することを発表した。価格は税別で1万9800円。対話する機能は、ドコモの「自然対話プラットフォーム」を活用した玩具となっている。
オハナスは、スマホやタブレットに無料の専用アプリをインストールし、Bluetooth接続を行うことによって、クラウドでお話ができるロボット。会話機能を組み込むのではなくクラウドでのやりとりで行うため、通り一辺倒の反応ではなく、ちょっとした疑問に答えてくれたり、ニュースや天気などリアルタイムに変化する最新情報を教えてくれる。話をしていくうちにユーザー情報を覚えて誕生日にお祝いの言葉をかけたりあだ名で呼んでくれるなどの反応を示すようにもなるという。
ほかにも頭をなでたり抱き上げ、揺らしたりすると反応を示すほか、言葉あそびとしてしりとりや俳句、歌を歌ってくれるなどのエンタメ要素も搭載。またNGワード設定も用意され、子どもにも配慮した会話ができるという。
会話については、ドコモがスマートフォン向けに提供している「しゃべってコンシェル」などで培った独自の自然言語処理技術を活用。スマホやタブレットを経由し、意図解釈機能などを持つクラウドサーバに接続することで、ユーザーの意図を解釈し最適な返答をしてくれるという。このシステムを自然対話プラットフォームという形で提供。オハナスはそのシステムを活用した最初の製品としている。
両社は都内で同商品の発表会を開催。タカラトミー代表取締役副社長兼COOのハロルド・ジョージ・メイ氏は、「ただ遊ぶものという玩具ではなく、生活のなかに役立つ玩具を開発した」と意図を語った。そして、子どもだけではなく大人も楽しめる「エイジレス」、インターネットが発展することによって商品が進化していく「エンドレス」、全世界に向けた「ボーダレス」の3つのキーワードを掲げ、玩具の概念を超える商品と説明。さらに、実現するには自社単独では難しかったとし「強いパートナーがあってこそ実現した」と、あわせて説明した。
NTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏は、以前からしゃべってコンシェルで培った技術をスマホ以外に活用する道を模索していたという。オハナスが、コラボレーションによって新たな価値を創造する「+d」戦略の新たな事例であることも触れ、「タカラトミーとのコラボレーションは意外にも思われるが、新しい価値を生み出せる“協創”活動のいい例」だとした。
開発を担当したタカラトミーニュートイ企画部部長の木村貴幸氏は、およそ2年前から打診をし開発を進めてきたことを明かした。ただ、そのタイミングではなかなか開発は進展しなかったが、ドコモの自然対話プラットフォームのメドがたった、2014年8月から本格的に開発を開始したという。この先については、自然対話プラットフォームを活用した新しいロボットの開発も進めているという。
NTTドコモサービスイノベーション部部長の大野友義氏は、今回のオハナスは日本語対応のみとしているが、グローバルでの販売を視野に入れ多言語対応を進めていく。「英語版に関しては1年以内にできるのでは」という。さらに自然対話プラットフォームを意図解釈エンジンASPの拡張版として、他企業向けに7月から提供するとしている。
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