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Galaxy S6に秘められた“スペックでは伝わらないこだわり” - (page 2)

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――では、次に電力消費が多いプロセッサやフラッシュメモリについてはいかがでしょうか。

糸櫻:Galaxy S6とGalaxy S6 edgeには自社開発の「Exynos」というオクタコアCPUを採用しましたが、動作クロック周波数は今までのものより下げることで発熱を抑えられた一方で、性能は従来モデルよりも30%以上向上させることに成功しています。その一番の理由がCPUを14nmプロセスで開発することができたという点です。これまでの28nmプロセスを採用したCPUに比べて半分の太さで開発することができるので、従来よりも小さく、同じ性能を省電力で実現するCPUを作ることが可能になり、従来のCPUと比較して性能を50%以上向上させながら30%程度の省電力を実現できたのです。

 スマートフォンには電池持ちという課題が常に付きまとうので、一番電力消費が多いディスプレイとCPUについて、いかにして大幅に性能を向上させながら高い省電力性能をもたせるかという点において、今回搭載したSuper AMOLEDディスプレイとExynosプロセッサは大きく貢献していると思います。

 加えて、性能の向上という面では、RAM(メモリ)とROM(ストレージ)、そしてそれぞれを繋ぐバス(CPU、RAM、ROMのデータ転送)を最新のものに更新したので、これも大きく寄与していると思います。ベンチマークテストにおいても、RAMとROMの書き込みスピードが大幅に向上しており、CPUの高い処理能力を十分に活かせるアーキテクチャになっています。

――電池に関連するところでは、今回ワイヤレス充電(Qi)と急速充電に対応したのは大きなトピックスです。

糸櫻:スマートフォンの電池への不満は私たちも十分理解しているところですし、その不満を解決する方法を見つけていかなければならないと考えていますが、残念ながら電池そのものの性能がすぐに飛躍的に向上するというのは技術的に難しい部分でもあります。その上で電池容量を大きくするというのがひとつのソリューションだったのではないかと思いますが、今回Galaxy S6とGalaxy S6 edgeで考えたのは、一定の実使用時間を担保できるだけのバッテリー性能があれば、いたずらにバッテリーを大きく分厚くする必要はないというものです。

 つまり、十分な実使用時間を提供しながら、こまめな充電でしっかりとバッテリーをリカバリーできるようにするということです。そのためGalaxy S5と比較するとバッテリー容量は小さくなりましたが、実使用時間はまったく遜色なく、10分間の急速充電で約4時間の使用時間を確保できるようにしています。充電し忘れた朝の少しの時間で、十分な充電ができるのはとても便利ではないかと思います。

 加えてワイヤレス充電に対応した点ですが、日本ではまだまだ普及に時間が掛かる部分もあると思います。ただ、実際に使ってみた方の満足度は非常に高く、充電ケーブルを持ち歩く必要がなくなるというのは、一度やってみるとやめられなくなるものではないでしょうか。米国では充電用のマットがカフェのテーブルに常備されているなどの事例もあるので、インフラの整備が進んでいけばその利便性を実感していただけるのではないかと思います。私たちも日本国内でのインフラ普及のために努力していきたいと考えています。

見たままの写真を残すための“頭脳”にこだわったカメラ

――カメラにも多くのこだわりが盛り込まれていると思います。

  • 写真を失敗しないためにホワイトバランス調整にもこだわりの技術を搭載。

糸櫻:スマートフォンのカメラの利用シーンをグローバルで調査すると、一番多いのは意外にも日中ではなく、仕事が終わったあとの平日の夕方から夜が多く、かつ家の中やお店の中などの室内が多いという結果が出ました。写真を撮影する環境としては、明るさが十分ではない場合のほうが多いのです。そうすると、スマートフォンに求められるカメラは少ない光量の環境であっても、明るくきれいに撮影できなければなりません。そういった観点から、Galaxy S6とGalaxy S6 edgeのカメラは“明るく撮る”ことを第一に考えて開発しました。

 明るく撮るためには、まずイメージセンサの画素数や大きさが必要で、それにレンズの開放F値の低さを掛け合わせて、一番写真を綺麗に撮れるバランスを追求しました。それぞれのスペックを個別に見ると一番ではないかもしれませんが、センサーとレンズのスペックを掛け算した結果生まれたのが、1600万画素の1/2.6インチセンサーとF1.9のレンズというパッケージなのです。

 加えて、ハードウェアだけでなく高性能なCPUを活かしたソフトウェア処理にもこだわっています。その一番特徴的なのが、一度シャッターを押した際に瞬時に4枚の写真を同時撮影して、それを合成して明るくきれいな写真を作り上げるという処理です。実際、人間は目の前のモノを見ようとすると、脳内で一度明るさを処理してそのモノを認識しますよね。Galaxy S6とGalaxy S6 edgeのカメラも、目(レンズ)で見たものを脳(CPU)で加工処理をして、人が見たような写真に仕上げる賢さをもっています。このあたりのこだわりはスペックからはなかなか伝わりにくいですが、実際にカメラを活用していただくとその良さを実感できるのではないかと思います。お客様からの声を聴くと、「目で見るよりも明るい写真が撮れる」という意見も頂いています。

 また、あまり知られていないと思いますが、ホワイトバランスの調整能力もスペックからはわからない隠れた武器ですね。写真を綺麗に撮影するためには撮影環境に合わせたホワイトバランスの調整は不可欠で、失敗写真の多くはカメラが意図しないホワイトバランスで写真を撮っている場合に発生します。たとえばホワイトバランスをオートで撮ると、カメラが「光量が少ない室内」と「天候が曇りの室外」を勘違いして、青みがかった写真になってしまうことがあります。そういった課題に対して、Galaxy S6とGalaxy S6 edgeのカメラは背面にある「心拍数センサー」に使われている赤外線センサーを使って、撮影環境の紫外線量を測定して、室内なのか室外なのかを区別してホワイトバランスを調整しています。そのため、フルオートで撮影した際のホワイトバランスの誤りはほとんど見られません。

 もうひとつのこだわりは、カメラを使用開始するまでの速さです。スマートフォンに求められるのは、撮りたいときにすぐに立ち上がって、とりあえずシャッターを切れば写真が綺麗に撮れるというものです。そこからホームボタンを2回押すとすぐにカメラが立ち上がる“クイック起動”という機能が生まれました。これにもCPUとRAMの高性能化が寄与していて、RAMにカメラ機能に必要な情報の一部が常時スタンバイしていて、いつでも立ち上がるように工夫しています。

データ通信の進化に対応できるスマートフォンを

――Galaxy S6とGalaxy S6 edgeの進化のポイントについて伺ってきましたが、ユーザーの中にはオーバースペックだという意見もあると思います。

糸櫻:中にはそういう意見もあると思いますが、本当にそうだろうかというのが私たちの意見です。通信キャリアではネットワークの高速大容量化がどんどん進んでいて、大容量ファイルのやりとりが簡単にできるようになってきています。データ通信が太くなれば、当然そこを流れるコンテンツも大きくなり、スマートフォンにはより高度な処理が要求されるようになってきます。たとえば、Galaxy S IIIを発売した際にも同じように「メールやネットをするのにこんな高性能は必要か」といったご意見もいただきましたが、実際にはLTEの進化と共に、Galaxy S IIIのスペックでは十分に対応できないような大容量コンテンツが流通するようになっていったのです。

 通信キャリア各社がLTE Category 6(LTE-Advanced)を今後拡大させると表明していることを踏まえると、通信性能が上がれば上がるほど、スマートフォンで処理するコンテンツも今のものとは大きく異なってくる(=大容量で複雑なものになる)わけです。ひょっとしたら、今はオーバースペックに思えるスマートフォンでも、来年にはそれでも対応できないくらい大容量なゲームやコンテンツが登場しているかもしれません。

 そう考えると、お客様に2年間はしっかり使えるスマートフォンを提供するためには、オーバースペックに思われてもそのときのベストなスペックを実現するための性能アップは非常に重要なことだと考えています。

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