ゲッティイメージズジャパンは、ストックフォトサイト「iStock」の完全日本語化を実施。日本のコンテンツの海外輸出を強化すると発表した。ゲッティイメージズジャパン代表取締役の島本久美子氏は「日本語化することで、趣味で写真を撮影している方も安心して応募いただけるようになった。iStockを通して世界デビューが可能になる」と話す。5月15〜17日には、フォトグラファーのための実践型集中プログラム「iStock Images」を開催。ストックフォトがどのように利用されているのか、またどんなものが人気があるのか、などを最新のビジュアルトレンドを交えて紹介するという。
発表会場では、iStockのクリエイティブプランニング部門ディレクターのRebecca Swift(レベッカ・スィフト)氏が登場。ストックフォトにおける現在のトレンドについて話した。
Swift氏は、ゲッティイメージズのクリエイティブリサーチチーム設立メンバーの1人で、写真業界において20年近くのキャリアを持つ。現在iStockにおいて、イメージコレクションの作成を担当しているという。
海外の人が日本のビジュアルコンテンツを探す際、よく用いる検索ワードは「東京タワー」「富士山」「渋谷」「東京スカイツリー」など、観光名所になっているような言葉が多いという。その多くは東京に関連しており、Swift氏は「世界の多くの人が、日本をイメージする時『東京』を考えていることがわかる」という。さらに「日本人」「日本人女性」「日本文化」「日本人 家族」といった検索ワードも数多く使用されており、これらの検索ワードは日本にかぎらず、他国においても典型的な検索ワードになっている。
一方、日本語サイトにおいては「人」「ビジネス」「女性」「ライフスタイル」という検索ワードが目立ち、これらをイメージするビジュアルが数多く求められていることがわかるという。
この検索ワードを踏まえ、現在のビジュアルトレンドは大きく4つ出てきているという。ひとつ目が「完成された未完成(PERFECTLY IMPERFECT)」。これは技術的には完成されていないが、構図や人物の表情、光の表現などがすばらしいというもの。Swift氏は「プロのモデルを頼んで、場所を選んで、プロのカメラマンでも、こういう写真は撮れない」と話す。
こうした写真はSNSの登場によって、より脚光を浴びるようになったとのこと。特にInstagramにはイメージ的に優れている写真が数多く投稿されているという。
2つ目のトレンドは、人間の目線や頭の上、もしくは動物の目線など、今までなかった視点で撮影する「POINT OF VIEW」だ。これはウェアラブルカメラの登場により、実現できたもので、動画のニーズも高いという。「今アクションとして起こっているものを感じることができる」(Swift氏)ことが特徴で、母親の目線でみる子供の成長など、日本のCMなどにも採用されている。
3つ目のトレンドは、「引き込まえる感覚(SENSORY IMMERSION)」だ。人間の目に寄ったアップや被写体にグッと近づいたマクロフォトなどがそれにあたり、Swift氏は「見ている人の感覚に訴える力がある」と話す。これらのイメージはスマートフォンなど、小さなスクリーンの中で写されることで、その場で見ているような、実際に触ったような感覚を味わえるという。
最後のトレンドは「多種多様な人々(ALL KINDS OF PEOPLE)」。人物のイメージというと、以前はスリムな体形が好まれていたが、今求められているのは「普通の人」だとSwift氏は言う。最近の人物のイメージは自然かつ現実的なものに変わってきている。
また、魅力的なモデルとして注目されているのが高齢者だ。クールなイメージを持つ高齢者モデルたちのイメージは、「こういう年の重ね方をしたい」など、若い世代に思ってもらえるようなイメージになっているという。
人物の中でも特に力を入れているのが「女性」だ。多様化する女性のイメージに焦点をあてており、アメリカ、ブラジル、日本、中国、南アフリカなど国ごとで人気のある女性のイメージも紹介した。
現在のビジュアルトレンドを説明し、Swift氏は「今後数年間はこの4つがトレンドになると思う」とした。
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