MacBookレビュー(前編)--懐かしい名前の全く新しいMacと出会う

懐かしいアイツがファッショナブルに

 Appleのノート型Macのラインアップの中で、最もライトなモデルとして位置づけられたMacBook。しかしその第一印象は、少し連れて歩く際に気が引き締まる、そんなおしゃれな1枚という仕上がりだ。


スペースグレーのMacBook。iPhoneのスペースグレーと同じカラーリング。光の当たり方によっては明るく見える、黒っぽすぎないボディ。他のカラーよりも締まって見える印象だ。

 筆者にとって「MacBook」というマシンに触れるのは2回目だ。Appleは、PowerPC搭載のノートブック型Macを「PowerBook」「iBook」と命名してきたが、Intelへ移行する際、「MacBook」に統一した。ちなみにiBookは現在は電子書籍のサービス名になっている。

 そしてプロ向けのMacBook Proに続いて、Intel搭載のオールインワンノートブックとして登場したのがMacBookだった。MacBookとして新製品がリリースされたのは、2010年以来5年ぶりとなる。

 筆者が以前使っていたMacBookには、iBook譲りの真っ白なモデルに加えて、ブラックモデルも登場しており、筆者はそれを使っていた。あれから実に9年の時を経て再び、黒っぽいMacBookを手にしたのである。

 同じ黒いMacBookだが、その見た目は大きく違っていた。MacBook Airよりも横が短く、縦がやや長くなった12インチサイズのノートブック型コンピュータとして生まれ変わったMacBookの特徴は、薄型であること、そして軽量であることだ。重さは920gで、MacBook Pro 15インチを使っていた筆者からすると、半分以下の重さということになる。

なつかしのMacBook
なつかしのMacBook

 最も薄い部分は0.35cmでそこから緩やかに1.31cmまで厚みを増していく。よく側面からマシンを見てみると、本体部分の厚みは、左サイドに取り付けられた唯一の外部インターフェースであるUSB-C、あるいは右サイドに用意されたヘッドフォンジャックのサイズに合わせてあるかのようだ。それくらい、軽さと薄さを極めた本体だ。

 そしてフィニッシュ。何となく道具は黒っぽい方が好みである筆者は、iPhoneでスペースグレーを使っているが、同様にスペースグレーのMacBookを選べるというのは、統一感が取れてうれしいものだ。

 同様にゴールドのiPhoneを使っている人にとっては、ゴールドのMacBookという選択肢もある。カラーリングでコーディネートができる点も、AppleのMac製品としては新しい試みと言えるかもしれない。

回転する部品はことごとく排除された

 すでにMacBook Airで取り除かれたハードディスクやDVDドライブは、MacBook Proでもその方針が踏襲された。当然のように、MacBookでも、同じポリシーで製品が作られている。そうでなければ、これだけの薄さ、軽さを実現するのも難しかったはずだ。

 MacBookでは記憶媒体のドライブに加えてもう1つ、回転する部品が取り除かれた。それは放熱ファンだ。

 Macに限らず、コンピュータを使っていて、動画再生や編集、ゲームなどの重たい処理が続くと、マシンから“サー”という音が聞こえてくる。これがファンの音だ。内部の熱を逃がすため、負荷が高くなって発熱すると自動的に動作する仕組みだ。

 MacBookは、わずか4.5Wの消費電力しかないCore Mプロセッサを搭載している。消費電力が少ないと言うことは、負荷がかかった際の発熱もより少なくて済むということだ。こうして、ファンがないMacを実現している。

 実際に、ライブビデオを再生しながらワードプロセッサやウェブブラウジングなどを同時進行させても、当然のことながらファンの音はしてこない。また、熱についても、本体の裏面を触ると中央部分に熱を感じるが、こんなに薄いのに表のキーボード面にそれが伝わってくることはほとんどない。

 春先にもかかわらず寒い日が続く東京で試しているという条件もあり、気温が低めの環境での使用が続いている。夏場の日本でどうなるかは今夏試してみたいところだが、ファンレスの静かな環境は、初めてに近い体験であり、どちらかというとiPhoneやiPadのような静かさ、と評価できる。

 ちなみに、Appleは回転する部品をノートブックには搭載しないだろう。それが内部のファンにまで及び始めたのがMacBookだが、より上位の機種でもそれが可能になるかどうかは、Intel次第、というところだろう。もしくは他の選択肢、例えばApple自身が取り組む、といったことも考えられるかもしれない。


0.35cmから1.31cmまで膨らんでいくボディ。Retinaディスプレイも薄型化が図られている。ボディの本体側は、イヤホンジャックの厚みほどしかない。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]