ヤフーは5月1日、2014年度通期の連結業績を発表。売上高は4284億8700万円(対前期比4.9%増)、営業利益は1972億1200万円(同0.4%増)、当期利益は1339億3300万円(同3.3%増)で、18期連続で増収増益となった。
「Yahoo! ショッピング」のストア出店料を無料化するなどのEC革命による減収要因があったものの、スマートフォン経由の検索連動型広告の売上が大きく伸びるなど広告事業が好調だった。また、子会社のワイジェイカードとシナジーマーケティングが連結したことも増収に寄与した。
オークション関連取扱高とショッピング関連取扱高をあわせたEC国内流通総額は1兆1900億円となり、前年度比で65.8%増加。オークション関連事業の通期取扱高は8181億円で、7年ぶりに過去最高を更新した。
Yahoo!プレミアム会員ID数は、ソフトバンクモバイルとワイモバイル経由の会員数の増加により、2015年3月末時点で1077万IDとなった。「Yahoo! JAPAN」の月間平均PV数は611億(前年度比10.7%増)で、スマートフォン利用が44%を占めた。ヤフーとその連結子会社であるコミュニティファクトリーが提供しているスマートフォンアプリの累計ダウンロード数は、前年度比で70%増加して2億7000万件に達した。これは日本国内のパブリッシャーでは最も多い。
ヤフーは1月、クレジットカード事業を手掛けるケーシーを連結子会社化し、ワイジェイカードに社名変更した。3月から「ソフトバンクカード」を、4月から「Yahoo! JAPANカード」を提供しており、ヤフーの執行役員で決済金融カンパニー長兼ワイジェイカード取締役会長の谷田智昭氏は「ともに好調に推移している。早期の収益化を目指す」とした。
将来的にはEC事業や広告事業への貢献を見据える。「EC事業に対しては、決済手数料による収益が増すため、ポイント還元や手数料の削減などで摩擦係数をなくして“お得感”を出せるようにする。広告事業に対しては、従来のマルチビッグデータに決済データが加わて、広告のターゲティング精度を向上させる」(谷田氏)。
ヤフーではクレジットカード事業を収益の柱の1つにするため、ショッピング事業やビッグデータ関連設備とともに継続して投資をしていく方針だ。今後、2015年度末にカードの有効会員数を140~160万人に拡大すべく、年間約40億円のマーケティング費用を計上する予定という。
ビッグデータ関連設備にも惜しまず投資をする姿勢を見せる。2014年度は約300億円を投資したが、2015年度は3割増で投資をするという。ヤフー代表取締役社長の宮坂学氏は「データがたまっていく量、そしてデータを計算するために必要なパワーは、毎年すごい勢いで伸びていく。その勢いのままに設備投資額を増やし続けると、天文学的な数字になってしまう。そのため、設備投資をする一方で、データサイエンスやテクノロジなどを活用して技術開発のブレークスルーを生み出して、データ処理の効率化を進めたい」と力を込めた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」