中国検索大手の「百度(バイドゥ)」が、3月に日本での検索サービスを終了していたことが明らかになった。今後は、日本語入力アプリ「Simeji(シメジ)」を始め、検索以外の事業に注力するとしている。
世界でのバイドゥのユーザー数は2月時点で約4億5000万、1日のページビューは約60億、1日の平均検索回数は約25億回に及ぶ。しかし、日本では「Yahoo! JAPAN」「Google」の“2強”が高いシェアを持っている。そのため、バイドゥは数年前から検索ではなく、Simejiを中心とした日本国内向けサービスと、日本企業の中国進出支援の2つの事業に注力してきた。
同社の広報によれば、日本の検索サイトの更新は2013年で止まっていたという。2015年3月に企業ページをリニューアルしたタイミングで、検索サイトを閉鎖した。閉鎖前には約1週間ほどサイト上で告知もしており、突然の閉鎖ではないと説明した。
今後は検索以外の事業にリソースを集中させるが、中でも主力事業となるのが2011年末に買収した日本語入力アプリ「Simeji」だ。顔文字入力やアスキーアート入力、アニメ用語から時事ネタまで幅広い単語変換が可能な日本語入力アプリで、写真をキーボードの背景として着せ替えることもできる。累計ダウンロード数は1400万を超え、3月末からは有料版の配信も開始している。
なお、同社は2013年末にPC向け日本語入力システム「Baidu IME」と、Android端末向け「Simeji」で入力した情報が、無断で同社のサーバに送信されているとして大きな問題となった。2015年1月末に日本戦略説明会で登壇した、バイドゥ代表取締役 駐日首席代表のCharles Zhang氏は、日本での信頼回復に努めると話していた。
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