エイベックス通信放送は4月2日、映像配信サービス「dビデオ」をリニューアルすると発表した。4月22日に名称を「dTV(ディーティービー)」に改めるほか、ユーザーインターフェースの刷新やテレビ向けの専用アダプタなどを用意する。
dビデオはエイベックス通信放送が運営し、NTTドコモが提供する映像配信サービス。月額税別500円で約12万の映像作品を視聴可能だ。2011年に「Bee TV」から名称変更し、現在会員数は450万人を突破している。モバイル端末向けからサービスを開始し、今ではスマートフォン、タブレット、PCなどマルチデバイスで視聴が可能。2014年にはNTTドコモ以外のキャリアユーザーでも利用できるキャリアフリーを実現した。
リニューアルは、コンテンツの拡充、インターフェースの刷新、レコメンドエンジンの進化、テレビでの視聴環境の整備といった4つのコンセプトを掲げて実施。エイベックス通信放送の代表取締役社長である千葉龍平氏は「改革にあたり掲げたスローガンは『砂漠の街に彩りと驚きを』。動画配信プラットフォームはあまたあるが、どのサービスでも何を、どうやって見ればいいかわからない、といった声がある。そうした砂漠の街をハワイや軽井沢に変えてしまうような、そんなドキドキ、ワクワクする出会いや驚きを届けられるようにしたい」とリニューアルのコンセプトを話した。
ユーザーと最も接点が多いユーザーインターフェースには「ザッピングUI」を新たに開発。これは横軸に並んだ「映画」「海外ドラマ」といったジャンルをクリックすると、該当ジャンルのおすすめコンテンツの予告編が自動的に流れるというもの。ジャンルを切り替えるごとに動画が流れ、1つの動画再生を終えると同ジャンル内の別動画が再生される。チャンネルを切り替えるとすぐに放送中のコンテンツが流れるテレビを模したインターフェースになっているという。
各コンテンツには、「フィルムアナリスト」によるフィルムメタが付けられ、独自の映像分析を実行。これにユーザーの視聴履歴や視聴時間、性別、年代などの視聴データを掛け合わせることで、精度の高いコンテンツレコメンデーションを実現する。エイベックス通信放送取締役の村本理恵子氏は「ユーザー調査により、約6割のユーザーが見たいコンテンツを探すことにエネルギーが必要と感じていることがわかった。音楽ではすでに当たり前になっているレコメンドエンジンを動画のプラットフォームに導入した。これによって今まで気づかなかった動画コンテンツとの出会いがあると期待している」と話した。
また、テレビでdTVが視聴できる「dTVターミナル」も発表。これはネットワークにつなぎ、テレビとHDMI接続することでdTVがテレビで見られる専用アダプタ。スマートフォンやタブレットでの視聴履歴はそのまま引き継がれるため、視聴中のコンテンツの続きをそのままテレビで見たり、外出中に見たいコンテンツをピックアップしておき、後からテレビで見るなどの使い方ができる。
発売は4月22日。ドコモオンラインショップ価格は6980円で、同日から全国のドコモショップにて事前予約を受け付けている。発売にあわせ「dTV×dTVターミナルスタートキャンペーン」を実施しており、dTVターミナルを購入し、dTVでデバイス登録したユーザー先着30万人に、500円相当のレンタルクーポンが毎月1枚最大14カ月プレゼントされる。
新たなプレミアムコンテンツとしてdTVオリジナルの「進撃の巨人」を製作することも明らかにした。8月の映画公開にあわせ独占配信され、実写版映画と完全連動したオリジナル企画。会場には出演の石原さとみさん、桜庭ななみさんらが登場し、アクションシーンなどの見どころを話した。
このほか、全4話から構成されるドラマ「眠れぬ真珠」や、「七つの大罪」「アルスラーン戦記」などのアニメ作品も拡充されるとのこと。今後の展開として舞台作品などを配信する「シアター」や小説を見て楽しむ「ノベル」などのコンテンツを開発中であることも発表された。
dTVでは、これらの施策により「サービスを進化させることでもっと多くの人に使っていただきたい。使いこなせる人だけではなく、使ってほしい最大の会員数を狙っている。個人的には1000万人を夢見ていきたい」(村本氏)とさらなる会員数の拡大を目指す。
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