感性と技術の調和--サムスン「Galaxy S6」シリーズが魅せたデザインのこだわり

井指啓吾 (編集部)2015年04月28日 08時00分

 サムスンによる最新Galaxyシリーズ「Galaxy S6 edge」「Galaxy S6」。強みであるカメラ機能がさらに向上したほか、ワイヤレスでの高速充電に対応したり、オクタコア(クアッド 2.1GHz+クアッド 1.5GHz)を搭載することで処理能力が「GALAXY S5」の約50%向上したりするなど技術面で大きな進化を遂げている。

 この一方で“見た目”の進化についてまずわかりやすいのは、バッテリを着脱不可能にしてmicroSDカードスロットを廃止することで生まれた「薄さ」だろう。プラスチックに代わって採用されたガラスとアルミニウム合金が生み出すキラキラとした「美しさ」にもこだわったという。そして、S6 edgeに搭載された、端末の左右両側に丸みをつけた世界初の「デュアルエッジスクリーン」なども目を引く。

  • 「Galaxy S6 edge」。端末の左右両側に丸みをつけた世界初の「デュアルエッジスクリーン」を採用

 サムスンによる端末のデザインは「技術基盤の革新」が土台となっている。その上で感性的な価値を追求しながら、シンプルで革新性を込めたものを目指しているという。Galaxyシリーズのデザイン担当者によれば、S6シリーズの社内でのプロジェクト名は「ゼロ」。企画初期の段階から、ゼロベースで物事を考え、製品の本質的な意味はなにか、感性と技術をどう調和させて新しいデザイン造形を作るかについて絶え間なく悩み抜いたそうだ。

 そうした中で、S6/S6 edgeのデザインコンセプトは次の3つだ。

・スリークプロファイル

 強いながらも洗練されたメタルフレームと、なめらかで繊細なガラスのコントラストが、サムスンの新しいデザイン言語を強く表している。

・ハーモナイズドフォーム

 両モデルは、しっかりしたラインと流れるような曲線、ガラスとメタル、グリップ感とクラフトマンシップ、といった調和されたバランスが反映されたデザインになっている。このようなバランスを通して、ユーザーが商品を手に取った瞬間に、感性と感覚的な体験を同時に感じられるようにしているという。

・アーセンテックマテリアルズ

 製品の本質的な意味と価値を追求することにおいて、あたたかく、感覚的な価値を伝えるための“真の素材”を探すことに重点を置いたという。「今回使用したメタルとガラスの組み合わせは、新しい感性を表現するだけでなく、プレミアムな見た目を完成させている」(同氏)。

 素材面でのキーコンセプトは、視覚的な深みをプラスするために、光と透明なカラーの精巧な反射を端末に盛り込むこと。新素材を使って、端末を持って動かしたときに生き生きとしたカラーが出るようにデザインしたという。

 これに加えて、カラーバリエーションも重要な要素となっている。グローバルで展開されるのは5色で、日本では、S6 edgeが「グリーンエメラルド」「ブラックサファイア」「ゴールドプラチナ」「ホワイトパール」の4色。S6が「ブラックサファイア」「ゴールドプラチナ」「ホワイトパール」の3色となっている。なお、扱う色は通信キャリアによって異なる。


NTTドコモとKDDI(au)が取り扱う「Galaxy S6 edge」の色(出典:サムスン公式ウェブサイト)

「Galaxy S6」はNTTドコモのみ取り扱う

 最も特徴的なのはグリーンエメラルド。サムスンがスマートフォンで始めて採用した色だ。デュアルカーブガラスと調和し、奥深い美しさを感じさせる。担当者は「トレンドリーディングできるカラーとして提案した」と話す。

 なお国内で販売される他の色については、ブラックサファイアは“深み”とともにキラキラ輝く新しい感覚をカラーに盛り込んだ。ゴールドプラチナは、光の流れによって色がゴールドからシルバーに見えるような動きのあるカラーに仕上げた。ホワイトパールは、純粋なイメージのある「白」の魅力を存分に感じられような色合いにしたという。

 また、代表取締役 最高執行責任者(COO)に新たに就任した堤浩幸氏が「アクセサリーも強化した。いままでは100ぐらいしか提供していなかったが、600ぐらいを用意しているので6倍、場合によっては10倍程度のアクセサリーを提供するかもしれない」と語ったように、アクセサリの代表格であるS6/S6 edge用カバーを従来よりも多種取りそろえた。

 特にクリアビューカバー類は、両モデルが持つ美しさを維持しながらも、デザインと機能性のバランスをとり、製品とカバーが調和するようこだわった。担当者は「個人的にはカバーなしでそのまま使ってもらいたい」としつつも、両モデルのカラーとマッチする素材であり、ガラスの美しい色彩を隠さずによく見せてくれるとアピールした。

  • Galaxy S6/S6 edge用カバー

 「スマートフォンは“最先端の製品”であり、技術的にアピールすることは簡単。デザインとしては、私たちが普段から常に身に付けていることを考えて、スマートフォンが機械であることにとどまらず感性を伝えていく必要がある。我々が追求するデザインにおいて変わらない価値を一言で表現するとしたら、それは『革新』だ」(同氏)。

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