「イエス、マイロード。貴方が望むなら、どこまでもお供しましょう」――妹系ロボット掃除機として話題となったシャープの「プレミアムなCOCOROBO」。その第2弾はアニメ「黒執事」とコラボし、セバスチャンとお話できる“お嬢様向け”として発売する。
アニプレックスは4月27日、すでに発表していた「プレミアムなCOCOROBO<黒執事 Ver.>」(RX-CLV2-B)の概要を公開。同社のセレクトショップ「ANIPLEX+」限定販売で、同日17時より予約受付を開始した。価格は税別かつ送料別で15万0000円。受け付けは5月31日23時59分までの期間限定で、予定数量に達した場合は期間中でも早期に予約を終了する。発送は6月末ごろを予定。
COCOROBOは人工知能「ココロエンジン」を搭載し、クラウドやスマホと連携するロボット掃除機。ボイスコミュニケーション機能を搭載した“しゃべる掃除機”が大きな特徴となっている。
シャープは社外とコラボする「SHARP Cloud Labs」の取り組みのひとつとして、漫画家の霜月絹鯊さんによる女の子のイラストに、声優の木戸衣吹さんによるボイスを収録した「プレミアムなCOCOROBO」を開発。当初は音声会話機能の研究開発を目的とした試作品だったが、“萌え系の妹ロボット掃除機”として話題に。反響の大きさから2014年12月に期間限定で「プレミアムなCOCOROBO<妹Ver.>」として商品化。今回の黒執事Ver.は、プレミアムなCOCOROBOの商品化第2弾となる。
黒執事はスクウェア・エニックスの雑誌「Gファンタジー」で連載されている漫画で、2008年のテレビアニメ化を皮切りにアニメシリーズとしても展開。舞台や実写映画化も行われている人気作品となっている。
今回の黒執事Ver.は、市販されているCOCOROBOの上位機種であるRX-V200がベースで、掃除機能そのものはRX-V200と同等。それに黒執事のテイストをふんだんに取り入れた掃除機となっている。
まずCOCOROBOのボディには、ファントムハイヴ家の執事であるセバスチャンを中心にしたオリジナルイラストがあしらわれている。単にセバスチャンを入れただけではなく、COCOROBOのロゴも含めて世界観を表現したデザインとなっており、「従来の家電製品とは一線を画すといっていいぐらいの芸術性も盛り込んだ」(シャープ 研究開発本部 クラウド技術センター 技術企画室 副参事の徳永礼氏)。また長期にわたって色あせしない耐久性も持ち合わせているという。
そして最大の特徴は、セバスチャンとの音声会話機能。セバスチャン役の声優を務める小野大輔さんが吹き込んだ録りおろしセリフが収録されている。音声会話機能はクラウドを通じて反応するため、単にセリフを再生するだけではなく、こちらからの呼びかけに対応した反応が帰ってくる。
まずは何気ない日常会話として「きれいにして」と呼びかけると「イエス、マイロード」と反応して掃除を開始するほか、さまざまな呼びかけに反応。たとえば「キスしよう」と言うと「本当に貴方は、いけない子ですね」と語りかけたり、「ねこ」と言うと「ああ、肉球がほしい……。なんてかわいい生き物なのか……」と猫好きの一面が垣間見える反応をする。ほかにも「デートしよう」「愛している」といったフレーズにも対応するセリフも用意されている。さらに「お話して」と呼びかけると丼について説明するなど、黒執事の名セリフを多数収録。
また「今日の天気は?」と呼びかけると天気予報を教えてくれたり、地域情報や献立提案など、クラウドを活用した日々のサービスについても教えてくれるなど、充実した音声会話機能が搭載されている。「たとえば天気予報における天気の種類にしても、100なんてそんな少ない数ではないレベルで収録している」(徳永氏)とあり、全体では相当数なセリフが収録されていると推察できる。
黒執事Ver.の商品化について「このコラボレーションはとても驚いている。そしてタイミングがよかった」と2社が口をそろえた。そもそもの経緯としては、アニプレックス側がSHARP Cloud Labsを通じてシャープ側にコンタクトをとったことがきっかけ。オリジナルグッズの企画を考えているなかで、差別化や強い特徴を出す案として“家電”があり、さらに妹Ver.を知って飛び込みで話を聞きにいったと振り返る。「本音を言えば、アニメ製作の会社が掃除機を売るとは思ってなかった(笑)。ただ、アニメのコンテンツと最新鋭の技術が融合した商品であり、ここまで来たかという心境を持っている」(アニプレックス MD事業グループ MD企画部兼EC事業部 次長の西田丈彦氏)
一方のシャープ側はプレミアムなCOCOROBOの反響において、主に女性から黒執事をテーマにしたプレミアムなCOCOROBOの要望が強くあったと背景を語った。「妹Ver.のようなオリジナルとは違い、黒執事は高い評価を受けている作品。打診をしていいものかと、ためらいがあった。そんな折りにアニプレクスさんからお声がけいただき、黒執事での要望をお伝えして話が進んでいった。まさか黒執事の名前を冠する商品が出せると思わなかった」(シャープ 研究開発本部 クラウド技術開発センター 所長の上田徹氏)と振り返った。
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