起業家やイノベーター、ベンチャーキャピタリストらが集い、最新のビジネストレンドを披露するカンファレンス「新経済サミット2015」が4月7~8日の2日に開催された。2日目の最終セッションは、各セッションでパネリストやモデレーターを務めた新経済連盟のメンバー8人が改めて登壇し、2日間のイベントを振り返るとともに、2016年に向けてのメッセージを残した。ここでは各人のコメントを抜粋して紹介したい。
サイバーエージェント 代表取締役社長/新経済連盟理事 藤田晋氏 新経済連盟が掲げるイノベーションやグローバリゼーション、アントレプレナーシップのうち、今年は特にアントレプレナーシップについて、日本のベンチャー企業にフォーカスしたセッションを加えた。内閣総理大臣賞をベンチャー企業のために創設して表彰するような動きが明らかになるなど、今、日本のアントレプレナーにとってはチャンス。アントレプレナーは、叩かれはしても賞賛されないという問題があるが、それが解決されていくような手応えを感じた。
新経済サミットの3年目となる今年は大成功。1年目は1日のみでかなり成功し、2年目は規模を拡大したら期待したほどではなかった。なので、3年目は1日でいいんじゃないかと言ったら三木谷さんがちょっと不機嫌になったが(笑)、結果的にはみなさんのアントレプレナーシップやグローバリゼーション、イノベーションに対する意識の高まりを感じられただけでなく、国に対する働きかけや海外要人に対する影響力もある、すばらしいイベントになった。
トランスコスモス 代表取締役会長兼CEO/新経済連盟幹事 船津康次氏 新経済連盟のスローガンに“Hello, Future!”と“See Around the Corner”があるが、アントレプレナーらの講演を聞くと“Hello, Future!”はみんな一緒だが、“See Around the Corner”の向こうに見えているものが立場や分野によって、ちょっとずつ違ったのが面白いところだった。
新経済サミットは3年目ということで、周囲から良くなったねと言われるようになった。次回に向けては、詰め込みすぎかもしれないので、タイムテーブルの時間割を守ること。そこらへんは改善の余地ありと思う。
楽天 代表取締役 副社長執行役員/新経済連盟顧問 平井康文氏 2014年の講演内容はヨーロッパやアジアなどの地域の視点が多かったものの、今年は女性活躍やダイバーシティ、働き方の変革、ロボット、地方創生、医療など、非常にバラエティに富んでいた。「日本からもう一度イノベーションを起こすんだ」というのがしっかり表れたサミットではなかったか。
イベントに参加してみて、日本のアントレプレナーは分単位で進化しているのではないかとも強く感じた。自らがチェンジエージェントとなって踏み出す行動計画を、ぜひ作っていただければ。2016年に向けては、参加しているみなさんの声をもっと反映して企画に活かしたい。
ネクスト 代表取締役社長/新経済連盟幹事 井上高志氏 登壇した方の中に、明確なビジョンや「必ずやってやろう」というパッションを秘めたぶれない姿を見た時に、アントレプレナーにとってはそこが大事なんだと再認識した。1日24時間、人生を投げうって、イノベーションしていこうという強いパッション、ビジョンを持ってやっているのがアントレプレナーだが、全員がヒットを打てるわけではなく失敗してしまう人もいる。それでも人生を賭けてチャレンジしている人を褒め称えるべきだというJohn Victor Roos前駐日米国大使らの話には感動した。
(衆議院議員の福田峰之氏が「グレーならやっちゃえ」と発言した件に絡めて)2016年はグレーゾーン大賞みたいなものを作って、表彰するのも面白いんじゃないか。今後は日本の誇る伝統芸能など、エンターテインメント系の要素をイベントの途中に入れても、リズムが変わって面白いのかなと思っている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」