アイファイジャパンは3月、無線LAN搭載型SDカード「Eyefi Mobi」の上位モデル「Eyefi Mobi Pro」を発表した。Eyefi Mobi Proは、RAWデータの転送や選択転送、インストラクチャーモードによる転送など、いわば転送系を強化した製品だ。
低価格・普及帯のEyefi Mobiと高性能・多機能なEyefi Mobi Proという2つのラインアップをそろえたことで、より幅広い層に“Eyefiシステム”をアピールできるようになった。
また、同社が力を入れているクラウドサービス「Eyefiクラウド」の新機能についても公開された。こちらは4月中の提供を目指すとした機能だが、集積した画像データを自動で解析し、Eyefiクラウド上で有効なタグ「スマートタグ」を付加する機能。10の大カテゴリ、80の小カテゴリに分けられた要素から画像にあったタグを自動で付けるというものだ。タグ付けという面倒な作業をEyefiクラウドが担うことで、より使いやすさを提供するものだという。
約400機種ものデジタルカメラにEyefi連携機能が搭載され、国内の主要カメラメーカーとも連携を強める同社だが、今回発表したEyefi Mobi Proにはどのような背景があるのか。米アイファイCEOのMatt DiMaria氏、そしてアイファイジャパン代表取締役の田中大祐氏に「Eyefi Mobi Pro」の狙いについて聞いた。
DiMaria氏 まず、RAWデータへの対応についてですが、現像作業を含めて、画像を編集するユーザー層からの要望・期待というのはとても大きいものでした。それは、全世界的にみてもハイアマチュア・プロと呼ばれる層です。ただ、私たちのお客様の多くはJPEGで撮影します。そういったものが1つの判断基準になっています。写真の内容としては、スポーツ写真、家族写真といったシェアを念頭に撮る写真というのはJPEGが多く、一方でポートレイトや風景を撮るようなユーザーはRAWで撮影するようです。
DiMaria氏 現在は販売を中止していますが、元々弊社にはRAWに対応した「Eyefi Pro X2」という製品がありました。ですから、新製品はRAWに対応しなければならないというのが先にあるのではなく、プロ向けの製品であるという視点から重要なものは何か。その答えとしてRAWという機能に注目しているわけです。
DiMaria氏 そうです。Eyefi Mobi Proの最大の特徴はセットアップが簡単であるということです。これはEyefi Mobiのセットアップの簡単さというものを継承しているわけです。“Mobi”という製品を我々が立ち上げたそのメッセージというのは、「簡単にセットアップができる」というものでした。そのシリーズ名をEyefi Mobi Proに冠しているという流れになります。ただし、Eyefi Mobi ProがEyefi Mobiとしての機能を使うのはとても簡単なのですが、Eyefi Mobi Proとしての機能を使うのには若干の設定が必要です。そういった意味で機能に差を付ける。差別化を図っています。
DiMaria氏 技術的には可能です。
田中氏 補足すると、今の状態でもカード側には設定する機能が備わっています。ただし、アプリの中に設定する機能がないため利用できません。現状では、Eyefi Mobi Proを買うユーザー層というのはPCを所有していて、設定できる環境にあると判断しています。
田中氏 期待してよいと思います。
DiMaria氏 まずCFに関しては、Eyefiと互換性の高いSD-CFアダプタをテストしています。今後はそういった製品をEyefiブランドで展開する計画でいます。今回、Eyefi Mobi Proというプロ向けの製品を出したことでそういった要望が高まっておりますし、Eyefiが登場した当初からそういった話は出ています。現状では、真剣にテストをしている状態です。
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