中国の電子商取引大手Alibabaが、2部門を新設し、ショッピングサービスをはるかに超える事業に乗り出した。
その1つが、新しい自動車部門だ。Reutersによると、Alibabaが現地時間4月10日に発表したこの部門は、同社が所有する他の多くの資産を融合したものだという。自動車販売業者は、Alibabaのサービスを利用して在庫車に関する情報をすべてデータベースに入力し、販売可能な車をユーザーに宣伝する。一方、顧客は、AlibabaのEコマースサイト「Tmall」を通じて自動車を購入することや、ローンを組むことができる。
車以外にも、Alibabaは10日、「スマートリビング」ビジネス部門を立ち上げたことを明らかにした。この部門は、家電機器などの家庭用製品にインターネット機能を組み込む企業が、Tmallサイト上の専用カテゴリを通じてそうした製品を販売できるようにする。Alibabaはまた、「eBay」に似た同社の小売サイト「Taobao」経由でクラウドファンディングプラットフォームを利用し、事業経営者が同サイトのユーザーから資金を調達できるようにしている。
Alibabaは世界最大のテクノロジ企業の1社であり、中国のオンライン分野で支配的な地位にある。同社の成長はオンラインショッピング大国である中国の趨勢に乗ったものだ。オンライン統計ポータルのStatistaによると、同国のオンラインショッピングユーザー数は3億人を超えるという。
Alibabaが顧客に提供している一連のサイトやサービスには、企業が独自の製品をオンラインモールに出品できるEコマースサイトTmallのほか、「PayPal」に似た、デジタル決済処理を提供する「Alipay」などのサービスがある。
Alibabaの事業の中核は、小売業者が商品を出品し、顧客が購入できる使いやすいプラットフォームを提供することにある。それでも、Alibabaは、テクノロジ分野で重要な、ますます成長する市場機会、いわゆる「モノのインターネット(IoT)」でも一役買いたいと考えている。
モノのインターネットの背景にあるアイデアはシンプルだ。従来オフラインであった日常製品にウェブ接続機能を追加するということだ。そうすることで、冷蔵庫や洗濯機などの家電製品が利用者と通信し、大切な情報を提供し、家全体を「スマート化」することができる。
Alibabaの自動車およびスマートリビング関連サービスは、中国で提供される予定だ。Alibabaにコメントを求めたが、すぐに得ることはできなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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