Adobeは「Creative Cloud」ベースの動画ツールについて、今後のアップデートの予定をあらためて全米放送事業者協会(NAB)主催の放送機器展「NAB Show 2015」で説明する。今回予定されているのは、「Premiere」および「After Effects」の実にクールで実際に有用かもしれないアップデート、「iOS」向けの新しい拡張現実(AR)アプリ、2014年のカンファレンス「Adobe Max」でその一端を明かしたアニメーションツールのプレビュー公開などだ。
披露される最先端の新製品は「Project Candy」と「Character Animator」の2つだ。Project Candy(最終的な名称ではない)は、ARを使って現実世界やスチル写真の色をiPhone上のパレットに集め、色相や彩度などのパラメーターを調整し、それを保存してPremiereやAfter Effectsで利用できる。動画のカラー調整に適用することも可能だ。
Character Animatorはまさにその名の通りで、キャラクターのイラストを使い、インバースキネマティクス(逆運動学。例えば、持ち上げた手に腕が付いていくといったロジック)や、その他の現実世界の物理特性をキャラクターに統合する。これは特に新しいものではない。しかし、Adobeのソフトウェアは新しい顔追跡アルゴリズムを適用して、ウェブカメラで撮影した人物の顔にキャラクターの顔をマッピングし、顔の動きをより本物らしくしたり、話している言葉に同期させたりできる。そうやって作り出した一連の振る舞いを共有することが可能で、タイムラインの複数トラックにも対応する。
既存のデスクトップアプリケーションも機能が大きく向上する。特にPremiereとAfter Effectsは、2014年秋に発表されたデザインアプリケーション向け「CCライブラリ」にようやく対応する。このライブラリは現実世界にはない資産(スタイル、パレット、ブラシ、単機能アプリなどで作った形など)をCreative Cloudのアプリケーションおよびインストールしたソフトウェアと同期させることができる。またいずれもタッチに対応する。
Premiereには「Morph Cut」と「Time Tuner」という以前から要望のあった機能が2つ追加される。Morph Cutは話し手が大きく写っているクリップを継ぎ合わせる際に、「Face Tracker」の技術を使って自動的にフレームを補間することにより、口ごもりや無駄な言葉を削除したことが目立たないようにする。Time Tunerは、コンテンツの長さを(常識の範囲内で)自動的に伸縮できる機能で、加工しても不自然になりにくいという。これは「Media Encoder」でも利用できる。
Adobeは「Adobe Anywhere」のサブスクリプションに協調制作のオプションを追加した。マルチロケーション版に加え、新たにシングルロケーション版が提供される。シングルロケーション版は全メンバーが同じネットワークに接続している場合に使えるもので、「Mercury Streaming Engine」が含まれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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