英国控訴院は、同国のウェブユーザーが追跡用のクッキーやプライバシーの侵害をめぐってGoogleを提訴した訴訟で、Googleが同訴訟を無効にするよう求めていた請求を棄却するという画期的な判断を下した。
この訴訟は、Appleの「Safari」ブラウザとGoogleによるSafariの迂回策、およびクッキー(PCにインストールされる小さなテキストファイルで、ネットサーフィン行動に関するデータを記録する)をめぐるものだ。Googleの追跡用クッキーは、(クッキーによる追跡の承諾をオプトアウトするオプションを含む)デフォルトのプライバシー設定やユーザー設定に関係なく、2011年と2012年の9カ月間にわたり、Safariユーザーの情報を収集していた。
Googleは、DoubleClickの追跡用クッキーをコンピューティングデバイスにインストールし、ユーザーをカスタマイズ広告に導くことで利益を得ている。DoubleClickのクッキーには、Cookie IDが割り当てられており、ユーザーのブラウザにインストールされると、ウェブ活動や検索に基づいてユーザーに関するデータを追跡および収集する。
こうした情報には、ネットサーフィンの癖、人種、性的関心、宗教や政治信条のほか、金銭的データが含まれる可能性もある。
問題の訴訟は3人の英国人コンピュータユーザーが起こしたもので、自分のマシンに追跡用クッキーをインストールしてほしくないという消費者の要求をGoogleが無視したと主張している。
一方のGoogleは、この慣行によって消費者が金銭的な被害を受けたわけではないとして、訴訟性がないと主張したが、英国控訴院はこの主張を認めなかった。控訴院の判事は次のように述べている。
「これらの主張は、裁判に値する深刻な問題を提起している。問題となっているのは、原告のインターネット利用に関連して(中略)極めて私的なものが多い情報を、秘密裏に一括して追跡や照合を行い、その後も約9カ月にわたってそうした情報を利用したとされている点だ。本件は、こうした自主性の侵害によって引き起こされた懸念や苦痛に関するものだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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