盛り上がるVR界わいと光るタイトル群--ゲームメディア編集者が見た2014年のトピックス - (page 2)

佐藤和也 (編集部)2015年03月21日 08時30分

近年まれに見るアーケードゲームの盛り上がりの予感

 そのほか話題として2015年に入ってからの出来事だが、アーケードゲームの展示会であるジャパンアミューズメントエキスポ(JAEPO2015)も挙がった。バンダイナムコゲームスの「ポッ拳」やセガの「艦これアーケード」の出展をはじめとして、ゲーム好きのユーザーが興味をそそるタイトルのほか多数の新作、スクウェア・エニックスが「ディシディア ファイナルファンタジー」のアーケード版を発表するなど、ここ数年では見られないほどの力のいれ具合を感じたと筆者は語った。

 アーケードゲーム雑誌の副編集長も兼任している西岡氏は、今回のJAEPO2015は一般公開日には大混雑で歩けなくなるほどの活況であったとし、新作のみならずスマホゲームのアーケード展開も目立っていたと話した。西岡氏は、ゲームセンターに遊びに行くユーザーの意識は、以前は「ゲームセンターが好きだから」だったが、今は「そのタイトルを遊びたいから」に変わっているためパワーのあるタイトルが必要だとし、今回はそうしたタイトルが出そろったと話す。林氏も「メーカーに取材したいぐらい、今年は出そろっていた」と語り、客足が戻る期待感を感じさせるものだったとした。

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 いまだ根強い人気が続いているガンホー・オンライン・エンターテインメントの「パズル&ドラゴンズ」についても、林氏は「パズドラは守りに入っているようでアグレッシブ。3DS版を作らなくてもいいようなものだが、人をかけて作っている上にマリオ版も出そうとしている」と語り、スマホ版でフォローできていない子ども向けにアプローチをしている姿勢を評価。筆者も同社のイベント「ガンホーフェスティバル」において、家族連れの来場者が多く目に付き、新しいモンスターが発表されると子どもたちがガッツポーズをするなど一喜一憂する姿を目の当たりにして、遊びとして定着している感覚を強めたことを語った。

突出したコンテンツがなくとも光るタイトルが混在した1年

 大賞を決めるにあたって、まずVR界わいにおける盛り上がりや今後の期待も含めてハードウェア部門として「Oculus Rift」と「Project Morpheus」の2つを選出。このあたりは文句もなく、逆にどちらか片方だけというのが難しいという判断に至った。

 一方のソフトウェア部門はかなり難航。タイトルが飛び交うなか、最終的には「P.T.」「Ingress」「テラバトル」の3つが選出された。

 「P.T.」は、PS4用の無料ソフトとして配信されている短編ホラーゲーム。小島秀夫氏のもとで、コナミデジタルエンタテインメントの小島プロダクションが制作したものだが、配信当初は名前を伏せ、架空の新興ゲームスタジオが制作したインディーゲームとしていた。ちなみにP.T.は「Playable Teaser」の略称で、ホラーゲームシリーズ「サイレントヒル」の新作のティザーという意味合いのものとなっている。

 このP.T.は林氏と西岡氏が特に推薦。林氏は配信の際にコナミや小島プロダクションの名前を出さず、さらにプロモーションもなく突然配信するなど、バズ(話題)を生ませることから考えられているところと、「夜中に遊んで本気で後悔した」というゲームとしての怖さも評価。西岡氏も解き方が今時のゲームとは思えないほど難解であり、さらに世界で初めてクリアしたプレイヤーが、エンディングで小島秀夫氏の名前が書かれていることを伝えるなど「そこまでの流れが見事だった」と評価。さらに「新作が出るのはまだ先だと思われるが、P.T.は本当に怖い。その恐怖がすり込まれているので、発売が近づくときっと思い出す。プロモーションとして秀逸」と付け加えた。

 「Ingress」はGoogle マップとスマートフォンの位置情報を活用し、さらに拡張現実(AR機能)を使ったスマートフォンゲーム。レジスタンスとエンライテンドに分かれて、ポータルを奪い合う陣取りゲームだ。Googleの社内ベンチャーであるNiantic Labsが開発した。

 これは主に筆者が推薦した。操作テクニックを競うようなゲームではないかもしれないが、グーグルならではのビッグデータやマップデータなど活用し、ゲーミフィケーションとして落とし込んだもので、世界中を巻き込んだムーブメントになっていること。また歩くといった健康的なところや在住地域の再発見など、現実世界で意味のある要素をエンタメコンテンツとして取り入れている点が秀逸。一般を巻き込んで幅広く訴求できる可能性を多分に秘めていることなどを挙げた。

 「テラバトル」は坂口博信氏率いるミストウォーカーが開発したスマホゲーム。王道ファンタジーRPGの世界観や演出を用いつつ、バトルに遊びやすいパズルタイプの要素も持ち合わせている。テラバトルについては主に林氏が推薦。ダウンロード数に応じて著名なアーティストが参戦していくダウンロードスターターという試みが「中身が伴っているうえで、広がらせ方を考えられている」と、その話題性を出す取り組みを評価。また西岡氏も往年のゲームクリエイターによるスマホゲームがヒットしたことに勇気づけられるとした。

 もちろん広くムーブメントを巻き起こした「妖怪ウォッチ」やスマホアプリのヒットタイトルである「モンスターストライク」「白猫プロジェクト」、また王道アクションゲームのPS4「KNACK」やゲーム実況などから人気が上がった「マインクラフト」などのタイトルも挙げられた。最終的に絞りきれずに3タイトルとなったが、林氏が「周りに聞いても2014年のベストゲームがみんな違う」というように、特別的な1本はなくとも、個々に光るコンテンツが多数あった2014年ということを象徴していたかと思われる。

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