楽天は3月19日、図書館向けの電子書籍配信サービス「OverDrive」を提供する米OverDriveを約4.1億ドルで買収することを発表した。買収は4月に完了する予定。
OverDriveは、図書館や教育機関などを対象に、電子書籍やオーディオブックなどの貸し出しをサポートするB2B2C型の電子書籍配信サービスを展開している。現在、米国やカナダ、英国などを含む約50カ国で、約5000の出版社が提供する250万以上のタイトルを取り扱い、3万を超える施設にサービスを提供しているという。
ユーザーは、図書館や教育機関の貸出IDを使って、PCやモバイル端末からアプリ経由でOverDriveにアクセスし、電子書籍などのデジタルコンテンツを借りることができる。貸出期間終了後は利用できなくなるため、返却する必要はない。また、希望するタイトルが貸出中の場合は、貸出予約をするか、同タイトルの電子書籍を購入するかを選ぶこともできる。
楽天は、2012年にRakuten Koboをグループに加え、電子書籍サービスを提供してきた。OverDriveを傘下にすることで両サービスの連携を図り、Koboは電子書籍の販売や電子書籍リーダーのさらなる活用など、一方のOverDriveは海外展開の加速などのシナジーが期待できるとしている。
OverDriveは図書館や教育機関などからの利用料を主な収入源としており、2014年度はEBITDAが2500万ドルだった。OverDriveが加わることで、2015年の楽天グループの電子書籍事業は、EBITDAベースで黒字に近づく見込みだという。
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