Piper JaffrayのアナリストGene Munster氏によると、Appleは拡張現実(AR)分野への進出を検討している可能性があるという。
Munster氏は米国時間3月18日にリリースした投資家向けメモの中で、Appleには拡張現実を調査する小規模なチームがあるとする複数の業界情報筋との会話を引用した。同氏は拡張現実について、「今日のスマートフォンと同じくらい深いテクノロジプラットフォームになる可能性を秘める」と考えている。さらに、Appleには、現在提供されているさまざまなプロトタイプデバイスと違って、消費者が本当に欲しがるような製品を作り出す能力があると考えていると同氏は述べた。
拡張現実デバイスはすでにいくつか登場している。「Google Glass」のほかにも、ソニーの「SmartEyeglass Developer Edition」やMicrosoftの「HoloLens」などの製品がある。しかし、そうしたデバイスが消費者に普及し、受け入れられるのは難しいかもしれない。不格好でひどく目立つメガネの着用を余儀なくされることを考えるとなおさらだ。Googleは1月、1500ドルのGlassが一般市場向けの製品になるのは何年も先のことだと述べて、「Google Glass Explorer Program」を終了した。
それでは、Googleがこれまでに失敗している分野で、Appleはどうすれば成功できるのだろうか。
Appleは新型「Apple Watch」でテクノロジよりスタイルを強調するデザインを採用したが、ウェアラブルARデバイスでも同じことをする可能性があるとMunster氏は述べた。
「ウェアラブルはユーザーの身体に着用して、ほかの人に見られるものなので、ファッショナブル、または身に着けたくなるようなものでなければならない、とわれわれは考える。拡張現実には、画像をユーザーの視界に投影する何らかのテクノロジが必要になる(最終的には、拡張現実はインプラント経由で提供されるようになるかもしれない)。Appleには、拡張現実のテクノロジを、ユーザーが実際に身に着けたくなる魅力的なファッション/デザインと組み合わせるユニークな能力がある、とわれわれはみている」(Munster氏)
Appleは拡張現実のさまざまな可能性を調べているとMunster氏は考えているが、実際のデバイスが登場するのは何年も先かもしれない。現在のところ、Appleのチームはファッショナブルで、社会的に受け入れられるウェアラブルARデバイスの開発方法を考え出そうとしているにすぎない。
Munster氏によると、AppleはApple Watchを発売してファッションブランドというイメージの強化を促すため、ファッション業界と小売業界の人材を大勢雇い入れたという。
米CNETはAppleにコメントを求めたが、すぐに回答を得ることはできなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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