従来型の3Dプリントには、素材の層を積み重ねることで3Dオブジェクトを作り出す機械が使われている。しかし、この方法は時間がかかるうえに、層が重ねられたことを示す波状の筋が残ってしまう。では、映画「ターミネーター2」で液体金属のたまりからRobert Patrick演じる「T-1000」が出現したように、液体のたまりから3Dオブジェクトを作り出せるとしたらどうだろうか。
新興企業のCarbon3Dは米国時間3月16日、秘密裏に開発を進めていた3Dプリントの新手法を発表した。Carbon3Dの「Continuous Liquid Interface Production」(CLIP)技術は、紫外線と酸素に反応する感光性樹脂を利用する。この方法では、3Dオブジェクトが液体の中で作成され、装置によって液体から引き上げられると、表面が滑らかな完成品が魔法のように現れる。
制作物から層がなくなることは、3Dプリントにとって大きな前進かもしれない。「既存の3Dプリント、あるいは積層造形技術は、実のところ2Dプリントを何度も繰り返しているにすぎない」とCarbon3Dは述べている。一方、CLIPの工程では、射出成形法に近い、外側が滑らかな3Dオブジェクトが出力される。同技術はまた、エラストマー素材からオブジェクトを作成する場合にも使用でき、自動車の部品から運動靴まで、さまざまな用途が見込まれる。
Carbon3Dは、自社の新手法について高い野心を持っており、それは従来型の3Dプリントに比べて25~100倍高速で、素材の選択肢が広く、商用レベルの品質を備えた製品を提供することができるものだと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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