友人とのさらなるコミュニケーション(あるいは、少なくともさらなる支払い)を促進しようとするFacebookはきっとすぐに、敵を増やすに違いない。
主な相手は、PayPal、Venmo、Squareなどのピアツーピア(P2P)モバイル決済プロバイダーだ。
なぜならば、世界最大規模を誇るソーシャルネットワークであるFacebookは米国時間3月17日、同社の「Messenger」アプリにP2P決済機能を追加すると発表したためだ。
一見したところ、最初に提供される送金機能は、どちらかといえば友人や家族の間ですばやくデジタル送金するための機構であり、独立系の販売業者や小規模企業によって導入されるようなモデルではない。
Facebook Messengerの決済機能はまず、VisaおよびMasterCardのデビットカード(クレジットカードではない)からの支払いの送受信のみに対応する予定である。処理には、1~3営業日かかる見込みだ。
それでも、Facebookの確立された世界規模の基盤と、世界中で13億9000万人を超える月間アクティブユーザー数を考えると、かなりのトラフィックが行き交うそのプラットフォームにP2P決済機能が追加されれば、いずれかの時点で既に定評のあるデジタル決済プロバイダーに対する脅威となることは間違いない。
Facebookはこれに加えて、インターネット接続を世界中に拡大するためのInternet.orgとドローンのプロジェクトに引き続き取り組んでおり、そこからは、あらゆるモバイルニーズを網羅しようとする同社の野望がますます明白となっている。
また、Facebookは準備運転を開始しているらしく、17日には、既に1日あたり平均100万件以上のセキュアな支払いを処理していると述べた。
Facebookはモバイルを第一とする同社の営業戦略を反映して人気の高い機能を独立させているが、今回の機能追加は、Facebookのスタンドアロンアプリのダウンロードを渋るモバイルユーザーに、ダウンロードを促すという副作用もあるかもしれない。
新しい決済機能は、米国で「数カ月のうちに」、まずはFacebookの「iOS」、「Android」、デスクトップ版の「Messenger」アプリで提供開始される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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