米連邦通信委員会(FCC)は米国時間3月12日、オープンインターネットを維持していく方法について、ようやく詳細を明らかにした。ブロードバンドサービスに関するより厳格な新しい規制について詳述した400ページにわたるPDFを一般に公開している。
FCCの委員らはこの規制案を2月に3対2で承認したが、規制案そのものは公開していなかった。代わりにFCCは、Tom Wheeler委員長自らが、ファクトシートや記者会見のほか、3月にスペインのバルセロナで開催された見本市Mobile World Conferenceでの発言を通じて、一部の詳細を明らかにしていた。
今回の発表は、一般の利用者がこの規制の全容を知る初めての機会となった。規制ではブロードバンドを、1934年通信法に定められたいわゆるTitle IIの電気通信事業として再分類している。FCCはこの再分類によって、もともとは古い電話網向けに整備されたルールを用いて、プロバイダー各社を規制できるようになる。今回の法的定義ではまた、ブロードバンドを「コモンキャリア(公益通信事業者)」と規定している。これは数世紀に及ぶ概念で、通信事業者のネットワークは誰に対してもオープンでなければならないという意味だ。今回の規制ではさらに、業界に対するかつてない権限をFCCに付与している。
消費者保護団体や動画ストリーミングサービスのNetflixといったオンライン企業はFCCによる規制の強化を歓迎しているが、Verizon WirelessやComcastなどのブロードバンドプロバイダーは、規制を阻止するためにFCCを提訴する可能性が高い。プロバイダー側が懸念しているのは、Title IIへの再分類によって料金の設定や課税を行う権限がFCCに与えられ、ひいては消費者が支払う料金の値上がりやイノベーションの停滞につながったり、企業に新しいブロードバンドネットワークの構築や既存ネットワークの改善を思いとどまらせたりすることになるのではないか、という点だ。しかしWheeler委員長は、こうした懸念を一蹴した。
規制案に反対票を投じた2人の共和党FCC委員の1人であるMichael O'Rielly氏は、規制に異議を唱える声明を出し、その中で新しいルールが広範に及ぼす影響について懸念を表明した。
O'Rielly氏は次のように述べている。「私は、FCCがTitle IIにおいて示そうとしている危険な道筋や、それがブロードバンドへの投資、先進的なプロバイダー、消費者に及ぼす影響に、よりいっそうの不安を覚えている」
AT&Tは、新しいルールが一般公開された時点で訴訟を起こす意向を示唆していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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