2015年中に、また新たなVRヘッドセットが登場する。だが、これはスマートフォンを利用するものではない。
意外にもHTCとValveが協力関係を結び、Mobile World Congressで、「HTC Vive」と呼ばれる仮想現実ヘッドセットとプラットフォームの組み合わせを発表した。HTC Viveは「Oculus Rift」のライバルにあたるPCゲーム用のVRシステムで、2015年中に2段階に分けてリリースされる。第1弾は3月にリリースされる「開発者向けエディション」で、第2弾の一般向けバージョンは年末に発売される。
HTC Viveは、ネットワークに接続された新製品を、複数のカテゴリに展開していくHTCの段階的戦略の一部だ。対象となるカテゴリには、フィットネスやスマートホーム、VRなどが含まれる。HTCがどのような製品を準備しているかは不明だが、このVRヘッドセット(とValveとのパートナーシップ)には誰もが驚かされた。理屈で言えば、Valveは本格的なパートナーであり、ゲーム業界で大きな存在感を示している企業の1つだ。
HTC ViveはOculus Riftと同じく、ゲーム用PCに接続して没入的なVR体験を提供するものだ。つまりこれは、サムスンの「Gear VR」のようなスマートフォン用の周辺機器ではない。HTCは一般にはスマートフォンの会社だと思われているため、これを意外に思う人もいるだろう。プレスリリースでは、Viveは「高品質なグラフィック、90fpsの表示、オーディオの忠実性」を備えていると説明されている。筆者がこれまでに見た限りでは、これはうなずける。
VR環境での入力方法は難しい問題だ。既存のVRシステムで、多くの入力方法が試みられているが、完璧な答えはまだない。HTC Viveでは2つのVRコントローラを使用するが、これが仮想環境を探索するのにも、ゲーム用にも使われる。このコントローラは「PlayStation 4」の「Project Morpheus」VRで使うモーションコントローラ「Move」に少し似ているが、同時にValveの「Steam」コントローラにも似ている。各コントローラにはタッチパッドに似たクリックできる面があり、タッチパッドと操作スティックのハイブリッドになっている。
大量生産されている優れたVR用の操作システムは少なく、Valveのコントローラが中核を成すものとなりうる。
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