KDDIの欧州現地法人、TELEHOUSE Europeは3月9日、最新の環境技術を導入した大規模データセンター「TELEHOUSE LONDON Docklands North Two(North Two)」を、2016年第1四半期に開業すると発表した。
North Twoは、高いエネルギー効率性の実現をコンセプトに、ロンドンの都市型データセンターとして初めて「間接外気空調システム」を導入する。
外気空調を活用する技術は、一定規模の面積が必要となるため、通常は郊外の大規模な平屋建てのデータセンターに活用されることが多いという。
North Twoは、ロンドン中心部に位置する11階建てのデータセンターながらも、ビル外壁に設置した設備から取り込む外気を活用することで、空調設備の消費電力を大幅に低減。ラック間の排気通路を屋根や蓋で覆い、ラックを冷却する冷気と機器の排熱を物理的に分離して気流制御し、空調設備の電力利用効率を大幅に改善したという。データセンターなどのIT関連施設のエネルギー効率を表す指標「PUE」は1.16(設計値)。KDDI調べでは、従来の空調システムを導入しているデータセンターと比較して、消費電力量は約30~40%程度改善する見通し。
最近では、データセンターを検討する際の項目の1つとして「環境に配慮しているエコデータセンターかどうか」を挙げる企業が増えてきているという。
KDDIグループは、1989年より「TELEHOUSE」ブランドでのデータセンター事業を開始し、英国には1990年に「TELEHOUSE LONDON Docklands North(North)」を開設。既設の4棟(North、East、West、Metro)と今回の新棟North Twoを合わせた総床面積の合計は約7万3000平米で、英国ロンドンにおいて最大級のデータセンターとなる。
North Twoには、英国最大のIX(Internet Exchange)事業者である「LINX(London Internet Exchange)」を含めて、2015年3月現在で合計532社の通信事業者、ISP、ASPが集積する。グローバルインターネットのハブとして、欧州における通信コミュニケーションの重要な役割を担う。
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