東南アジアのIT新鋭企業

アジアの“福利厚生”市場に破壊的イノベーションを起こす「ConneXionsAsia」

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 従業員の健康状態を高め医療費を削減するオンラインプラットホームを運営するシンガポールのスタートアップ「ConneXionsAsia(CXA)」はこのほど、シリーズA資金調達でインドネシア投資会社ノーススター・グループ傘下新興企業部門 NSIベンチャーズなどから800万米ドルを調達した。

 アジアに同様のサービスはなく、域内で初登場になるというこのサービスはいったいどのようなものなのか。日本への展開も計画しているという同社のサービスを詳しく見ていきたい。


CXAで購入できる各種健康サービス

 CXAの設立は2013年。同社が運営するプラットホームでは「治療から予防」をキーワードに、従業員の健康状態を高め企業が支払う保険料・医療費を下げるための各種サービスが用意されている。従業員はプラットホーム上で、ジムの会員、健康診断、カイロプラクティック施術などを選択し自分の給付費から購入することができる。

 またウェアラブルデバイスと連動し運動量をチェックできるほか、喫煙、ストレス、栄養などの健康項目を確認することが可能だ。最新テクノロジにより、不健康な状態が続くとどのように年をとっていくのかを可視化し、従業員の健康意識を高めることもできる。


利用者の健康意識を高める年齢可視化

 一方で、企業の健康管理部門の負担軽減のためのサービスも用意されている。たとえば、プラットホーム上で従業員の健康データをまとめ、健康状態の改善と医療費の低下などの相関関係を示すことができる。これにより投資収益率(ROI)の観点から経営者の意思決定を支援する。 さらにプラットホーム上では保険仲介サービスを利用することも可能だ。企業はこのサービスを利用することで、保険を選び書類を記入する時間的コストを低減することがきる。

 CXAの創設者であるRosaline Koo氏はシンガポール経済紙ビジネス・タイムズの取材で「われわれのサービスのように保険仲介、健康評価、健康サービス購入などを一元的に扱っているプラットホームはアジアにはなく、域内では初めてのものになる」と説明した。

 同社はアジア域内での事業拡大を加速する考えだ。今回調達した資金で、香港でのオフィス開設と保険仲介業務立ち上げを進める。またプラットホーム拡大ためのテクノロジ投資をおこなうほか、保険・医療分野のビッグデータ人材採用を増やす計画だ。2014年にはシンガポール地元保険仲介会社Pan Groupを買収。顧客企業数は500社を超える。将来的には中国、日本、韓国、インドなどのアジア主要市場に進出し、現在600万米ドルの売上高を2019年までに1億米ドルまで高めたいとしている。

 ノーススター・グループのマネジング・ダイレクターであるAshish Shastry氏は同紙に対して、「CXAは福利厚生市場のゲームチェンジャー。紙ベースの市場なので、今がテクノロジによる破壊的イノベーションが起こるタイミングだ」と指摘した。たしかに、テクノロジ導入により企業の福利厚生担当部門の工数は大幅に減ることが予想される。また、保険・医療分野のビッグデータを活用することで、自分にあった保険プランを見つけ出すことも容易になり、健康になればなるほどより安い保険を選べるようになるかもしれない。

 テクノロジを活用した保険見直しサービスは、米ニューヨーク拠点のOscar(オスカー)やサンフランシスコ拠点のZenefits(ゼネフィッツ)などがある。2社とも2013年に設立されたスタートアップ。Oscarはベンチャーキャピタルから1億5000万米ドルを、Zenefitsは8400万米ドルを調達しており、健康保険業界での破壊的イノベーションを起こすサービスとして期待されている。

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