シンガポールの大手紙The Straits Timesが報じたところによると、米Facebookと同国のMedia Literacy Councilは共同で、“Cyber bullying”いわゆるネットいじめの対策として啓蒙サイト「Bullying Prevention Centre」を公開した。
サイトの対象は、主に10代のネット利用者とその親、そして学校の教師たちで、ネットいじめの対策を講じるための手立てや、そのためにFacebookが提供している機能を紹介する記事コンテンツなどを提供することがその目的である。
同国でのサイトの公開は、先立って公開された米国、英国で好評だったことを踏まえ、2月10日の「Safer Internet Day」を前に行われたもの。この日は、若者、親、教師などの教育者や彼らに関わる産業全体に、ネット上での交流をより良くするためにできることを考えてもらおうと、欧州の機関「Insafe」が定めたものである。
サイトのコンテンツは、「For Teens(10代のユーザー向け)」「For Parents and Guardians(親や保護者向け)」「For Teachers(教師向け)」に分かれている。10代のユーザー向けのページでは、ネットいじめの定義について、「なにか特定の行動を指すのではなく、誰かを怖がらせたり戸惑わせたりする行為を広く指すもの。噂を広めたり、ふさわしくない写真を投稿したり、脅迫したり、誰かを仲間はずれにすることもそれにあてはまる。ネット上では誰の身にも起こりうること」としている。
同ページでは、自分や友人がいじめられていると感じたり、もしくは誰かにいじめっ子だと指摘されたとき、それぞれの場面で役に立つコンテンツを用意。自分が取るべき行動や、自分をいじめている相手との会話の仕方、また問題を解決するために活用できるFacebook上のツールやオプションなどを紹介している。
親や保護者向け、教師向けのページでもそれぞれ、いじめられている子ども、誰かをいじめている子どもとのコミュニケーションの図り方などを紹介するコンテンツが掲載されている。こうしたコンテンツはPDFでダウンロードすることも可能だ。
さらに前述のとおり、同サイトではFacebookが提供している機能も紹介している。どのような内容のコンテンツがFacebookのコミュニティでは適切、もしくは不適切とみなされるのかのガイドラインや、不適切なユーザーやコンテンツについて運営社にレポートする方法、自分のプライバシーを守るための設定の仕方などが含まれる。
Media Literacy CouncilのチェアマンであるTan Cheng Han教授は、このサイトの公開に際し、同紙の取材に対して「インターネットの世界は現実の世界とよく似ているが、そこで起こることはますます悪化の一途をたどっているように感じる。世界やインターネットをより良くしていくことは、私たちの務めである」とコメント。
Facebookのオーストラリア・ニュージーランドにおけるポリシーの責任者であるMia Garlick氏は、「このサイトは、Facebookのユーザー、特に若い人たちに対して安全を提供するという、我々の継続的なコミットメントの一部である。人々がこのサイトで必要な情報を引き出し、争いを解消することに役立ててもらえれば」と語った。
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