Uberは、同社がインドで展開中のタクシー配車サービスに対し、乗客向けの新たな安全機能を追加したことを発表した。今週に入って、Uberがインドの利用者を対象に、乗客の安全用緊急ボタンを同アプリに導入する予定だと報じられていた。
新たな安全機能は、乗客がタクシーを利用する際の品質と安全性の向上に向け同社が約束した取り組みの一環として導入されるもので、インド国内で起きている法制面での議論や、 Uberのドライバーが絡むレイプ事件などを受けたものだ。
サンフランシスコを拠点とするUberは、インドにおいて別の措置も講じているところであり、それには自社のドライバーに対して政府が発行する証明書以上の経歴審査や、より厳格な評価システムを採用するなどが含まれている。この評価システムについては2014年12月から導入している。
Uberの南アジア地区広報担当のKarun Arya氏は、「この2つの新たなアプリ内機能は当面、Uberが利用可能なインド国内全11都市で利用可能だ」と述べた。「現時点で、それ以外にどの都市や州に展開するのかや、提供開始時期などについて新しい情報はない。新たな情報は今後発表するので注意していてほしい」(Arya氏)
Uberの新しい「Send Status」は、友人や家族が利用者の通勤や通学時の状況を常時把握できるようにすることを意図している。この機能は、ドライバーの氏名、運転免許証番号、タクシーの現在地など、利用者の移動中の詳細情報を利用者の判断で連絡先を最大5人まで指定し、送信できる。
Send Statusは、従来の「Share my ETA」機能に置き換わるもので、利用時にSMS料金は発生しない。あらかじめ選択した連絡先にUber URLが送信され、連絡先の相手が街を移動中に、その乗客の状況をライブで追跡できる。
必要な場合は、アプリ画面の右上部に表示される「SOS」ボタンで地元の警察に通報する。どちらの機能も、Uberの「Android」版では既に利用可能だ。
2015年に入り、Uberはインドでの運用上の諸問題に対処するため、独自に設定したドライバー手数料を廃止した。2014年12月、26歳の女性がサウスデリーでUberを呼んだ後、強姦と暴行を受けたことが報じられたことで、同アプリは市当局のブラックリストの対象になった。
この事件は、インドのタクシー業界においてUberの安全性と合法性にまつわる懸念が高まっていることを浮き彫りにした。Uberをめぐる訴訟はアジア全域に広がっており、現在も進行中だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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