インテリジェンスとLINEは2月16日、アルバイト求人情報サービス「LINEバイト」を公開した。LINEアプリ内で求人情報を閲覧して応募できるため、専用アプリのインストールや新規登録は不要。検索履歴に応じて、おすすめの求人情報をプッシュ形式で受け取ったり、求人情報をLINEの友だちに共有したりすることも可能だ。
利用するには、LINEの「その他」→「LINE Apps」→「LINEバイト」を選ぶ。メニュー画面では、お気に入り案件やプロフィール、応募履歴などを確認できる。希望の条件(地域、職種、給与、期間)を選択するだけで求人情報を閲覧でき、気に入ったアルバイト情報があればそのまま応募できる。
LINEバイトには、同日よりインテリジェンスが運営するアルバイト求人サイト「an」の10万件以上の情報が掲載されている。企業や店舗は、anに求人情報を掲載するだけで追加料金なしでLINEバイトにも情報掲載できるという。今後は、ユーザーがプロフィール情報に登録した経歴やスキルをみて、店舗からスカウトできる機能も設ける予定だ。
サービスは、両社が共同出資して2月2日に設立した合弁会社AUBE(オーブ)が運営する。出資比率は、インテリジェンスが51%、LINEが49%。LINE 上級執行役員CSMOの舛田淳氏がAUBEの会長に、インテリジェンス メディアディビジョン 企画本部 本部長の上土達哉氏が社長に就任した。
LINEは2014年10月に、「LIFE(ライフ)」をテーマに生活に密着したプラットフォームを目指すことを発表し、フードデリバリーやタクシー配車サービス、モバイル決済サービスなどを相次いで提供してきた。新たに開始したLINEバイトは、もう一歩踏み込んだ事業になると舛田氏は語る。
「ユーザーに寄り添うために、皆さんの“ライフイベント”に対しても私どものサービスを展開することを意識した。LINEのユーザーは若年層が非常にアクティブで、その中で重要なライフイベントはやはりアルバイト。この分野に参入することで、5~10年変わってこなかった、ユーザーのマッチングを変えていきたい」(舛田氏)。
求人市場では景気回復による雇用状況の改善により、有効求人倍率(有効求職者数に対する有効求人数の比率)が2013年11月に7年ぶりに1.0を突破、2014年12月時点で1.15を記録している。そのため、希望する人材を計画的に採用できない企業や店舗が増加するなど、市場全体の課題になっているという。この状況を変えるために、インテリジェンスがパートナーとして選んだのが、国内5800万人に利用されるLINEだ。
上土氏は、現在アルバイト応募者の7割がスマートフォン経由で応募・マッチングしていることから、スマートフォン時代ならではの求人プラットフォームが必要だと語る。また、時給やエリアだけでなく“服装のルールが厳しくない”ことを重視するなど、個人の志向性は仕事探しにおいても多様化していると説明。LINEバイトでこうしたニーズに応えていきたいとした。
今後は、ネイティブアプリとしての展開も予定しているという。また、ビジネスアカウント「LINE@」や、モバイル決済・送金サービス「LINE Pay」と連携して、求職者と店舗がLINEで直接コミュニケーションしたり、採用が決定したユーザーにお祝い金を支払うといったことも可能にしたいとした。「たとえば、給与の振込みでLINE Payをメイン決済として使っていただくという構想もある」(舛田氏)。
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