2014年7月に始動したVAIO株式会社の発足から約7カ月。いよいよソニー時代からの継続ではない新機種が登場する。
以前よりモバイルの最上級シリーズとされてきた「VAIO Z」だ。目指したのは、最高のアウトプットを求める人に向けたハイスペックなモバイルPCだ。ボディにはカーボンとアルミを採用している。
「(ソニーから離れたことで)会社としては小さくなったので、マーケットが小さくても本当に必要としてくれるところを押さえていける」──VAIOは、クリエイター向けのタブレットPCの試作機「VAIO Prototype Tablet PC」をイベントで公開するなど、ソニー時代には考えられなかった方法で新たな道を模索してきた。
新しい“Z”は、13.3型(2560×1440)のWQHD液晶でタッチパネルを内蔵する。駆動時間は最長15.5時間(JEITA Ver.2.0測定)、重さは1.34kg。高性能なTDP 28W Uの第5世代 インテル Coreプロセッサを搭載する。Core i 5でも他社の一般的なCore i7を搭載したノートPCを超えるパフォーマンスを持つという。
ハイパフォーマンスでありながら、小型・軽量を実現したのは、高密度実装技術と放熱設計技術によるものとし、VAIOはこのコア技術を「Z ENGINE」と名付けた。
液晶は、回転できる「マルチフリップ機構」を採用。ペンタブレット的な使い方もできるPCとなっている。付属のデジタイザースタイラスペンでは、手書きメモや図や絵が書ける。ディスプレイはAdobe RGB 95%をカバーするほか、視差を軽減するため、液晶とガラスの間に特殊な光学樹脂を充てんすることで、ペン先の触れた位置と実際に線が描写される位置の誤差を最小限にしているという。
また、カメラ部分にはソニー時代の技術を継承し、ソニー独自の「積層型構造」を採用した“Exmor RS for PC”CMOSセンサの搭載により、細かい文字もはっきり撮影できる。さらに、資料やホワイトボードなどを撮影し、台形補正して美しく整えるほか、OCR技術も備えたドキュメントスキャナ機能も搭載する。
VAIO Zは、2月16日15時から受注を開始する。価格は、Window 8.1 Pro Update 64ビット版、インテル Core i5-5257Uプロセッサ、8Gバイトメモリ、128GバイトのSSDを搭載した最小構成で税別約19万円~。
なお、BEAMSとのコラボレーション端末として、特別仕様のモデルも登場した。クリックパッドの色がオレンジに変更されているほか、樹脂パーツ部分にBEAMSのロゴ刻印、起動時のロゴなどが異なる。価格は+6000円で、3月に受注を開始する予定だ。
このほか、クリエイター向けにVAIO Prototype Tablet PCとして披露してきた端末を、いよいよ「VAIO Z Canvas」として5月下旬に商品化することを明らかにした。最小構成価格は20万円台後半(税別)を予定している。バッテリ駆動時間、重さ、外寸は未定。
クリエイター向けに最適化したタブレット&ワイヤレスキーボードの形態で、VAIO独自のスタンド機構を搭載。スペックは、12.3型の液晶(2560×1704)を搭載。CPUはインテル Core プロセッサ H プロセッサーライン(Quad-Core プロセッサ)、Iris Proグラフィック、メモリ最大16Gバイト、第2世代の High Speed SSD(最大1Tバイトを選択可能)、Adobe RGBカバー率 95%高精細LCDを搭載するとしているいう。
フリップ機構の2 in 1--15.5時間駆動、パワフルなモバイルノート「VAIO Z」レビューCNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」