サイトビジットは2月12日、資格試験のオンライン予備校「資格スクエア」を刷新したことを発表した。過去の質問や各自の単語帳をクラウドで共有できる学習システム「資格スクエアクラウド」を新たに実装した。
資格スクエアは、弁護士や司法書士、簿記、ビジネス会計、弁理士、知財管理など、士業を中心とした20以上の資格の授業動画がオンラインで見放題になるサービス。料金は資格によって異なり、たとえば行政書士講座は月額5000円から、簿記3級講座は月額1000円で受けられる。動画は約3600本あり、一番人気の司法書士では360時間分を用意している。
サイトビジット代表取締役社長の鬼頭政人氏は「実際の予備校では年間50万円かかるところを、資格スクエアでは10万円で(大手予備校の)伊藤塾などの人気講師の授業を受けられる」と語る。PCだけでなく、スマートフォンやタブレットでも視聴できるため、通勤、通学中に学習可能だ。ユーザー数は非公開だが、「オンライン学習するユーザーはモチベーションが高く、アクティブ率は高い」(鬼頭氏)そうだ。
鬼頭氏は2007年から3年間、弁護士を経験した後、2010年に産業革新機構へ転職し投資チームで大型企業再編やベンチャー投資などを担当。そして2014年1月にサイトビジットを立ち上げ、資格スクエアの提供を開始した。講師は現在30人近くおり、授業料の10~15%をレベニューシェアしている。
これまでは、アーカイブされた授業動画を配信するのみだった資格スクエアだが、新たに提供する学習システム「資格スクエアクラウド」では、動画に紐付いたレジュメが画面内に表示され、実際の授業さながら、受講生が自由に丸をつけたり線を引いたりできる。分からないところがあれば講師にコメントで質問することができ、他の受講生の質問とその回答も閲覧できる。
また、それぞれの受講生が作った単語帳がすべてクラウドで共有されるようになった。気に入ったユーザーの単語帳があれば、自身ものに上書きすることも可能だ。さらに、「司法試験の勉強では教材とは別に判例集などを用意し、紐づく内容の参照にも時間がかかるためとても効率が悪い」(鬼頭氏)ことから、条文や判例についてすぐに参照できるようリンクを張れるようにした。
司法試験予備試験を皮切りに、行政書士、宅建、中小企業診断士向け講座に同システムを導入し、難関資格から順次提供を開始する予定だ。また今後は、◯×などの問題学習システムも用意し、正答率によって効率の良い復習や苦手分野の学習をできるようにする予定だという。
同社では現在、資格スクエアクラウドの特許を出願中で、医療や建設、社内研修など法人向けのOEM提供も視野に入れているという。売上げの目標は「3月に月商1000万円、2015年末には5000万円を目指す」(鬼頭氏)と語った。
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